『東京リベンジャーズ』その優しさで人と人を繋いだ佐野エマーー悲劇の果てに東京卍會はどう動くのか

2人の兄の因縁、巻き添えを食うのは妹だった

 エマは幼少期に黒川家から佐野家に引き取られ、血の繋がりがない真一郎とマイキーと暮らすこととなる。すでにイザナという兄がいながら、新たな家族が2人……。3人の兄がいる複雑な環境で育ったものの、佐野家では兄弟仲睦まじく過ごしていた。

 けれどもイザナはマイキーを恨んでおり、東京卍會を潰すことが最大の目的。彼の私怨はエマに何の関係もないのだが、ただ妹というだけで巻き添えを食らう。

 一体彼女が何をしたというのだろう、14歳のうら若き少女に与えられた運命は残酷で儚い。目を背けたくなるほどの痛ましい事件は、視聴者さえ目を背けたくなるほどだ。筆者も原作を読んだ時は何が起きたかが分からず、ようやく状況を理解したころ怒りに震えたのを今でも覚えている。

 不良界には「自分たちの揉め事は自分たちで解決する」という掟があるため、第三者を巻き込むなど邪道。天竺は最も汚い方法を取ってでも東京卍會を、そしてマイキーを失脚させたいらしい。

 エマの巻き添えによりダメージを受けた東京卍會。このまま天竺との抗争は中止となり、彼らは敗者となってしまうのか。極悪非道の手強い敵へ、チームがどう立ち向かうかは見物である。

 東京リベンジャーズにはエマ、ヒナ、ユズハと芯の通った女性たちが勢ぞろい。それぞれが個性的に溢れ、メインキャラクターをそっと支える強さには魅力を覚えてしまう。特にエマは同性から見て友達になりたい女の子ナンバーワン。彼女が傍にいるだけで、場が一気に華やかになりそうだ。

 アニメでは悲惨な状況に見舞われるものの、我々は無事を祈るのみ。揺らぐ東京卍會に勝利はあるだろうか……。まだまだ天竺との戦いは始まったばかり。エマがそっと仲間たちをサポートしたように、視聴者も共にチームを応援しようではないか。

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