『東京リベンジャーズ』その優しさで人と人を繋いだ佐野エマーー悲劇の果てに東京卍會はどう動くのか

※本稿は『東京卍リベンジャーズ』のネタバレを含みます。原作未読の方はご注意ください。

 アニメ『東京リベンジャーズ』に登場する数少ない女性キャラクターとして人気を誇るのが、真一郎、マイキー、そしてイザナの妹にあたる「佐野エマ」だ。東京卍會メンバーと何らかの関わりを持ち、物語を支える人物でもある。

 現在放送中の「天竺編」はイザナだけではなく、元黒川家のエマも重要なカギを握る。キュートなだけではなく、人々の心を掴む彼女の魅力に迫ってみたい。エマは、登場人物の中でもコミュニケーション能力は一、二を争い、時に歴戦の不良たちを凌ぐほどの芯の強さが何よりの特徴だ。

“可愛くて強い女の子”を象徴するキャラクター

 性格は明るくて無邪気、さっぱりとした潔さは見ていて気持ちが良い。のんびりで穏やかなヒロイン・橘日向とは対照的で、エマは活発な印象があり、物怖じしない姿勢には「さすが総長(マイキー)の妹だ」と関心してしまう。佐野家に引き取られてからは道場で兄弟らと訓練するなど、きっと腕っぷしもなかなかのものだと思われる。

 ただ人間として強いだけではなく、ドラケン(龍宮寺堅)を想う乙女な一面も。恋心を抱いているものの素直に口に出せず、嫉妬させたいがあまりタケミチを誘惑するといった行動に走ったことも! 子どもと大人の狭間で揺れ動く、実に可愛らしい女の子だ。

 余談だが、どうやら彼女のお気に入りスポットは渋谷の道玄坂付近らしい。そう、道玄坂と言えばドラケンの住む“オトナのお店”がある場所。本来なら14歳の少女が行くエリアではないが、これも恋心がゆえ。好きな人の全てを愛する彼女のハートに、ついこちらも胸がキュンとしてしまう。

縁の下の力持ち!エマの優しさが人を繋ぐ

 物語の主要キャラクターではないが、実は縁の下の力持ち。彼女のお陰で人と人とが繋がり、絆を深めた事例があることから、主要メンバーにとって必要不可欠な存在とも言える。

 パーが愛美愛主との抗争で少年院へ送られた際、マイキーとドラケンの間では意見の食い違いにより揉め事が発生した。お互い頭に血が上り、手がつけられない喧嘩を発見したのはエマだ。急いでタケミチへSOSを出し、仲裁に入ったからこそ事態が収束。素早い行動がなければ今頃どうなっていたかはわからない。

 実際に喧嘩を止めたのはタケミチの奮闘によるものだが、素晴らしいパスを繋いだ彼女あっての結果と言えようか。

 そしてタケミチとヒナの間を取り持ったのもエマである。最愛の彼に別れを告げられ、親の問題が絡んで悩むヒナを見て即行動。マイキーとドラケンに協力を仰ぎ、見事に関係修復へと導いた。その姿は非常に頼もしく、彼女の熱い心と懐の深さを感じられるエピソードである。

 エマの優しさは人同士が自然と惹かれ合う、誰にも真似できぬパワーを持つ。何の意識もなくサッと動ける性格に加え、的確な判断力は大人顔負け。これが多くの面々から愛される秘訣なのかもしれない。

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