実写版『ONE PIECE』シーズン2の山場は「ドラム島編」か「アラバスタ編」か シーズン1の進行度から考察
「週刊少年ジャンプ」での連載が最終章を迎え、さらに大きな盛り上がりを見せている『ONE PIECE』。原作と対照的に、いま華々しく“航海の始まり”を告げ、ファンに歓迎されているのがNetflixで配信中の実写版だ。
その人気ぶりは既報の通りで、続編の制作も発表済み。この発表で原作者の尾田栄一郎が、麦わらの一味の頼りになる船医であり、マスコット的存在としても人気が高いトニー・トニー・チョッパーの登場をにおわせており、来るべきシーズン2で物語がどこまで進むのか、早くも注目が集まっている。
シーズン1で描かれたのは「アーロンパーク編」まで。ルフィ、ナミ、ゾロ、ウソップ、サンジの5人が揃い、いよいよ偉大なる航路(グランドライン)へ、というキリのいいエンディングを迎えた。原作でいうと12巻の途中までを描いた形で、脚本はエピソードを取捨選択しながら仕上げられた、メリハリのある内容だった。
乱暴だが、シーズン2が単純に原作ベースで同じ進行度だと仮定し、24巻までの物語が描かれるとすると、序盤の山場である「アラバスタ編」がちょうど収まることになる。砂の国・アラバスタ王国の王女=ネフェルタリ・ビビとの“無言の別れ”のシーンがエンディングとなればキリがよく、シーズン3にも美しく繋がりそうだが、舞台の移り変わりも激しく、シーズン1と同じ全8話に収めようとすると目まぐるしい展開になるかもしれない。
「アーロンパーク編」から「アラバスタ編」に至るまでの原作のエピソードは、ざっくりまとめて以下の通りだ。
麦わらの一味が偉大なる航路に入る直前、海賊王ゴールデン(ゴール・D)・ロジャーが処刑された町で大騒動を起こす「ローグタウン編」。そこから偉大なる航路に突入し、入り口の双子岬で仲間の帰還を待つ巨大クジラ・ラブーンと出会う。さらに、「バロックワークス」の正体を知り、ビビを仲間に加える「ウイスキーピーク編」を経て、二人の巨人が決闘を続ける太古の島を舞台にした「リトルガーデン編」へ。その後にチョッパーと出会う「ドラム王国編」が控えており、どこをとっても2時間の映画が作れそうな強いエピソードが続く。
ラブーンとのエピソードやウイスキーピーク編などはうまく短縮できそうな部分もありそうで、1話がローグラウンから双子岬まで、2話がウイスキーピークからリトルガーデンまで、3話~4話でドラム島をまとめ、5話~8話でアラバスタ編……のような想像はできるが、ラブーンや巨人族/海王類という実写化が気になるモチーフが駆け足になりそうで、原作ファンとしては全10話くらい、あるいはドラム王国編までに絞ってもらってじっくり楽しみたいという思いも出てくる。
その意味では、シーズン2が「ヒルルクの桜」のエピソードで締めくくられるのも美しく、エンディングは「ビビとの別れ」か「ヒルルクの桜」のいずれかになるのではないか。
いずれにしても、この先は「国」を動かす、よりスケールの大きい物語が展開されていく。制作費や制作期間はどれほどのものになってしまうのか……と想像しつつ、原作を読み返しながらさらなる発表を待ちたい。