ベストセラー連発の編集者・箕輪厚介の「編集論」とは? 常識はずれの「怪獣人間」から学んだこと

 しかし一方で、強烈な個性を持つ「怪獣人間」を前にして、自分を持つこともまた大事なのだという。割合で言えば、相手に染まるのが90%だとすれば、残りの10%は染まらない自分を持つべきとのこと。完全に同化してしまったら、相手にとっては刺激のない存在になることを意味する。だから自分なりのスタンスを磨いていくべきなのだ。それは人間関係のハンドルを自分で握ることにも繋がる。そもそも自分に核がないまま「怪獣人間」を相手にすると、振り回されて疲弊してしまうだけだからだ。

 読者のなかには箕輪氏が関わるような著名人や起業家とは縁遠いと感じる人もいるかもしれない。しかし、本書でいう「怪獣人間」を今目下、自分自身が抱えている仕事や人間関係の困難に置き換えてみても学ぶことは多い。そのような観点で読んでいくと、箕輪氏がエピローグで語る「僕という人間は僕が出会った人によりつくられてきた」という一言が深く含蓄のある意味を伴って響いてくるはずだ。

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