「あんたは違うだろ」「ムタの強さは脅威だべ!!!」ーー『キングダム』を彩るマイナーな“名言”を振り返る
武力で秦から中華統一を目指す漫画『キングダム』を原作とした、実写映画「キングダム 運命の炎」の観客動員数が305万人を記録。連載から18年経った今もなお、様々なメディアミックスを通して、多くの人たちの心を惹きつけている。
そんな同作の魅力の一端を担っているのが、強烈な生と死のドラマから生み出される名言たち。例えば、窮地に立たされた将軍の王騎が、起死回生の一撃を放った際に口にした「天下の大将軍ですよ」は、彼のバックボーンも相まって、奮えた人も多いハズ。
そんな名言たちを集めた「キングダム名言総選挙」が、8月31日から特設Webページ及び、『週刊ヤングジャンプ』本誌で開催されている。
本稿では、「キングダム名言総選挙」にエントリーされている全162個の名言の中から、クスッと笑えるものや、一コマずつ確認しないとわからないような、マイナーだがなぜか印象に残るセリフを3つ紹介したい。
「ムタの強さは脅威(きょうい)だべ!!!」
こちらは、王弟の反乱によって逃亡していた、若き頃の始皇帝こと=嬴政を暗殺するため、刺客として放たれたムタが放った一言。登場当初は毒矢や圧倒的な追跡能力で、主人公・信たちを翻弄した。
その一癖も二癖もある戦い方とは裏腹に、信に倒された後は、自国の正しい情勢について素直に教えてくれるなど、意外と優しい部分も持ち合わせている。
そんな彼が登場したのは、原作2巻。既刊69巻の『キングダム』からすると、序盤も序盤である。忘れている方も多いと思うため、今回は敢えてピックアップ。「案外いいやつだったよな……」と、彼の最期の姿をぜひ思い出してあげてほしい。
「あんたは違うだろ」
函谷関防衛戦初日が描かれた26巻で生まれた一言。敵国武将の「貴様は一体何者だ」との問いに、当時将軍の位だった騰が「天下の大将軍だ」と答え、そのコマの隅で静かに、されど的確に武将の録嗚未がツッコんだ際のセリフである。
こちらのシーンは『アメトーーク!』の「キングダム芸人」回で、「キングダム史上初めてツッコミが生まれるシーン」としても紹介された。これ以降、騰と録嗚未の掛け合いが作中で時おり描かれるようになったため、その後のふたりの関係性が作られたツッコミと言っても過言ではない。