『ブルーロック』潔世一はなぜサバイバルレースを勝ち抜ける? 想像力と再現性の“ハイブリッドストライカー”に迫る

 読者が潔世一に惹きつけられる理由は、様々あるだろう。決してフィジカルに恵まれてはいないがそれを補って余りある創造性。苦境においても思考を重ね正解を導き出す力。ライバル達とお互いを高め合い、階段を上へ上へと駆け上がっていく姿。勿論、それらが潔の魅力の一端であることに異論はない。しかしFWという人種への評価軸は、今までもこれからも変わることなくこの一言に尽きる。「ゴール」だ。

 雌雄を決する場面で得点を奪える能力。ゴールという結果こそがFWの全てだといってもいい。潔世一は、最後は決まって自分の能力を最大限発揮した上でゴールという結果を出して這い上がってきたのだ。この事実こそが潔世一という1人のエゴイストが称賛され、多くのファンから愛され続ける理由であることは疑いの余地がないだろう。

 今後もさらに進化を続けるに違いない潔世一が、日本に足りない「世界一のストライカー」というラストピースに嵌り、我々がこれまでみたことのない新しい景色を見せてくれることを願ってやまない。

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