最終回でモヤモヤ残した『あなたがしてくれなくても』 原作漫画ではどんな展開に?

 「世の中には、自分を大切にしてくれない家族や、価値観が違うパートナー同士というのはありふれていると思います。戸籍上の繋がりに固執しなくていい、夫婦や家族だからといって一緒にいなくてもいいという考え方が、かつてより一般的になっていると思います。長いこと一緒にいると、割り切れないところもあるし、嫌なところがあっても見捨てられないケースもあります。もちろん、中には楽しいこともあるし、一緒にいて幸せなこともある。みちも、自分が多少は妥協しても、一緒に生きていきたいという気持ちはどこかにあったのでしょう。新名のことは恋愛相手として好きだけど、愛してたのは結局、陽一だったんじゃないかなと。

 側から見たら、自分が無理してまで一緒にいる必要はないでしょうと思いますが、本人たちはそれでも一緒にいたくて、離れられないということは、きっと世の中にたくさんある話だと思います。恋愛相手としては見れないけど同志、一緒に生きていくパートナー。でも、ときめく相手は違う。そういう意味では、あまりにもリアルなラストだったんじゃないでしょうか。

 おそらく、みちと新名が子供を作って幸せな家庭を作るという絵がハッピーエンドですし、希望がある終わり方で、すごく解放された気分になると思いますが、折り合いをつけながら生きていくというのも選択肢として間違っているわけではない。あえてモヤモヤが残る結末にしたことを含めて『あなたがしてくれなくても』だったんだと思います。どちらの選択肢をとるのか、ドラマの結末は1つの例でしかないのかなと。原作ではみちと新名がハッピーエンドを迎えてもいいと思いますし、全く別の選択もむしろ見てみたいですね」

 原作とドラマ版の結末の違いは、読者/視聴者にさまざまな可能性を提示することになりそうだ。

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