「少年ジャンプ」脱体育会系? 『あかね噺』『暗号学園のいろは』……”文化系漫画”の全盛期到来か

 「週刊少年ジャンプ」といえばバトル漫画の印象が強いが、ほかにもさまざまなジャンルの作品が掲載されてきた。その筆頭と言えるのが、『SLAM DUNK』に代表されるスポーツ漫画だろう。

 しかし近年の連載陣を見ると、そうした体育会系漫画の影が薄くなりつつあるように見える。代わりに台頭しているのが、文化系漫画の数々だ。

 現在の連載ラインナップは、とくに文化系の勢力が強い。なかでも大ヒットを予感させる作品としては、昨年2月から連載がスタートした『あかね噺』が挙げられる。

 同作は落語家・林家けい木による監修のもと、落語家を目指す女子高生の活躍を描いた作品。「落語」という少年漫画らしからぬテーマでありながら、古典落語と人間ドラマが巧みに交錯したストーリー構成によって、多くの読者を魅了してきた。

 さらに同年11月から始まった『暗号学園のいろは』も、異色の作品。題材はずばり「暗号」で、作中では暗号解読員の養成学校「暗号学園」を舞台とした暗号バトルが繰り広げられている。

 『〈物語〉シリーズ』などで知られる人気小説家・西尾維新が原作を担当しており、その謎解きは週刊連載とは到底思えないほどの密度だ。

 そのほか、南北朝時代を扱った松井優征の歴史漫画『逃げ上手の若君』も、広い意味では文化系に分類できるだろう。

 また2023年から始まった新連載でも、文化系の波は途切れていない。『テンマクキネマ』は、駆け出し映画監督の高校生と凄腕脚本家の幽霊によるバディものであり、「映画」を題材としたストーリーだ。

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