『ONE PIECE』サンジ、炎を使いこなすのは料理人だからじゃない!? ルナーリア族の可能性も
「週刊少年ジャンプ」で1997年から連載され、コミックスの累計発行部数は5億部を超える大人気マンガ『ONE PIECE』。ストーリーはついに最終章に突入し今後の展開も楽しみな同作品だが、これまで膨大に張り巡らされてきた伏線や謎に関する考察も後を絶たない。登場人物に対する考察も多いが、ネット上で話題になっているのが「サンジはルナーリア族なのではないか」という説だ。
■見た目の類似点は無さそうだけど……
まず「ルナーリア族」についておさらいしておこう。ルナーリア族は「大昔には神と呼ばれた」「自然界のあらゆる環境下で生存できる」「発火する種族」などと語られ、過去に絶滅したとされる一族である。「黒い羽根」「白髪」「褐色の肌」が身体的特徴で、カイドウ率いる百獣海賊団の幹部・キングがルナーリア族の生き残りとして登場した。
ネット上では「見た目の特徴が何もかすってない」という指摘があるものの、それでもサンジをルナーリア族と予想する人が多いのはなぜなのだろう。まず気になるのがキングと同じく百獣海賊団幹部のクイーンがサンジに対して言った、「人が燃えるか!? バカ野郎ォ!! “ルナーリア族”じゃあるめえし!!!」というセリフだ。
ただ確かにサンジの技は燃えるものが多いが、身体を自在に発火させているのかというと疑問が残る。ネット上でも「サンジの足が燃えるのは摩擦の力だったと思う」という声もあり、技を出す前に摩擦のために回転している描写もあった。
とはいえクイーンのセリフを単なる煽り文句などと簡単に片付けてしまうのも早計かもしれない。というのもクイーンはサンジの父・ジャッジとも関係が深い存在だからだ。サンジは科学の国「ジェルマ」の王族ヴィンスモーク家の生まれであり、出生にあたり血統因子を操作されていたことが明らかになっている。
ジャッジはかつてベガパンクとも研究をともにしており、ルナーリア族に関する血統因子などの情報を持っていたとしてもおかしくはない。ベガパンクはパシフィスタ「セラフィム」にルナーリア族の体質を持たせることに成功していたが、ジェルマはおそらくベガパンクほどの科学力を持っていないはず。発現できたのが強靱な「外骨格」や異常な「回復力」と「腕力」にとどまったとしても不思議ではないだろう。
■サンジの母に秘密を解く鍵がある!?
サンジの出生という観点から考えると、ネット上では「サンジの母ソラがそもそもルナーリア族ではないか」という声もある。ソラについても前述したルナーリア族の身体的特徴はないが、「ソラ」という名前からはラテン語で太陽を表す「sol(ソル)」を連想することができる。
『ONE PIECE』では「太陽の神ニカ」など太陽は重要なモチーフにも使われており、発火するルナーリア族と関係があってもおかしくはない。純粋なルナーリア族ではなくルナーリア族の血が入っているだけであれば、ソラに身体的特徴が無くても矛盾はしないだろう。ネット上では「ジャッジが単なる一般人と結婚するとも思えないし、ソラにはなんかありそう」という声も……。
サンジはそもそも東の海にある海上レストラン「バラティエ」から麦わらの一味に加入したが、北の海のヴィンスモーク家という出生の秘密が明かされたのはずいぶん後になってからだった。作者の尾田栄一郎先生はコミックス105巻のSBSで「元々“炎”に異常な耐性を持つサンジ。不思議でしたよね。今後も見守っていきましょう」と語っている。サンジにはまだ隠された設定が残っているのかもしれない。