【連載】『ガンダムZZ』は“見なくていい”作品なのか?

『ガンダムZZ』作品全体の“座りの悪さ”を生んだ正体は? 手探りの背景にある「挑戦する意思」

 『ZZ』の前半には、こういった手探り感が随所に漂っている。明るく元気でギャグも挟まるアニメと、ガンダムシリーズが主題にしているリアルな戦争。この二つの要素の間にどう軸足を置いていいのか、迷っている気配があるのだ。また、ジュドーという主人公をアーガマが戦う戦争にどう巻き込んでいったらいいのか、考えあぐねている気配もある。

 結果的に『ZZ』では当初のギャグ路線からよりシリアスな方向性へと変更を強いられるし、ジュドーは戦う動機についてはうやむやのままアーガマと共に宇宙へ飛び出してしまう。微妙に座りが悪く、それでいいのかと言いたくなるようなところもあるが、少なくとも「これまでのガンダムシリーズとは違うことをやろう」という意志から生まれた座りの悪さだとは思う。この手探り感こそが、『ZZ』の大きな特徴なのだろう。

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