その新興宗教は“笑顔”の下に何を隠している……漫画『スマイリー』が描き出す、邪悪な野望

教団を潰すことはできるのか

 『スマイリー』の結末がどうなるかはわからない。信仰心は、それがたとえ社会的にマイナスだと受け取られるものだとしても、簡単にはなくならない。規模を小さくして再出発するかもしれないし、新堂冬樹/八潮路つとむ/西崎泰正作『カリスマ』(双葉社)に登場する「神の郷」のように私利私欲に塗れたカルト宗教のように形を変貌させるかもしれない。

 心笑会の目的とラストを考えれば考えるほど、いい結末が思い浮かばず、筆者の想像力の限界を感じさせられる。個人的には、スッキリさせてほしいが、そうならなくてもリアリティがあるとして受け入れられる。どっちにしても、『スマイリー』は引き続き注目していきたい。

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