2023年は卯年!『うさぎは正義』から『兎が二匹』まで、新年に読みたい”ウサギ”にまつわる漫画3選
2023年は卯年(うさぎ年)。ウサギは跳ねる特徴があるため、卯年は飛躍や向上の象徴とされ、縁起の良い年としても知られている。今回は、そんな”ウサギ”にまつわる漫画をご紹介。新たな年がスタートした今、ぜひ今年の干支を感じる漫画との出会いを楽しんでみてはいかがだろうか。
『うさぎは正義』(井口病院)
愛らしい見た目に反して、実は警戒心が強く、自己主張が強いウサギ。そんな意外と知らないウサギのリアルな生態を学びつつ、初笑いにもってこいな作品がこちら。
圧倒的な戦闘力とカリスマ性を持つウサギが2匹オオカミを子分に従えている......という自然界のヒエラルキーを大逆転させた日常コメディ。本作のウサギは喋るため、そのキュートな口から飛び出す塩対応なセリフに思わず衝撃を受けるが、全部許せてしまう。なぜなら可愛いから。可愛いは正義、うさぎは正義!
『鬼灯の冷徹』(江口夏実)
ウサギといえば、幼い頃に童話「かちかち山」を読んで、その意外な凶暴性に恐れ慄いた方も多いのではないだろうか。そんな「かちかち山」時代のことを未だに根に持ち、たぬきを恨み続けている、なんとも執念深いウサギが登場するのが『鬼灯の冷徹』だ。
物語の舞台は“日本の地獄”。まるで役所のごとく様々なトラブルを対処する閻魔大王の第一補佐官・鬼灯の日常を描いた本作。作中には、鬼灯の部下や仲間として悪魔や妖怪、幻獣など様々な種族が登場するが、童話界からは「かちかち山」のウサギ・芥子が参戦! とっても可愛いのに、“じわじわと報復する”をモットーに「如飛虫堕処」で獄卒を務め、たぬきを見かけると容赦なく制裁を加える......このギャップがたまらない。ちなみに「如飛虫堕処」とは不当に高額利益を得た者が堕ちる地獄。心当たりがある方は今年こそ悔い改めよう。
『兎が二匹』(山うた)
ウサギは寂しいと死んでしまう......という説を耳にしたことはないだろうか。実際は科学的根拠がなく、都市伝説だと言われているが、“寂しさ”に寄り添う、不器用な2人の切なくて哀しい愛の物語を最後に紹介したい。
400年近くもの間この世を彷徨い続ける不老不死の女性・すず。ある日、ネグレクトされた少年・サクと出会ったすずは彼を引き取り共に生活を共にするように。お互いの孤独を分かち合い、不器用ながらも寂しさを埋めるように、寄り添って生きる2人。けれど、想いが深まるほどに、大切な人が自分を残して老いて死んでいくという残酷な現実がすずの心をえぐる。2人はどうすれば幸せになれるのだろうか......いくら考えても答えが出ない葛藤、そして喪失感で胸がいっぱいになる本作。けれど、当たり前に感じてしまう日常の一瞬を慈しみたい、見つめ直したいと、これから新たに始まる1年への決意が湧く。