天空の城ラピュタで好きなキャラは誰? 物語のカギを握るあのキャラに注目

『天空の城ラピュタ』で、あなたが一番好きなキャラは誰? パズー? シータ? いやいや、「人がゴミのようだ!!」「目が、目がぁ~!」などの数々の明言を残した、ムスカ? 人それぞれ“推し”がいると思うが、根強いファンがいる人気キャラクターといえば、ラピュタを守るロボット兵だろう。三鷹の森ジブリ美術館の屋上にも展示され、人気の撮影スポットにもなっているほどだ。

小説 天空の城ラピュタ前編(徳間書店)

 高度な科学技術で造られたロボット兵が空から落ちてきたことで、それまで伝説とされていたラピュタの存在が疑われるようになった。いわば、物語のカギを握るキャラクターである。

 物語中盤で、戦火の中、ロボット兵がシータを必死に守る姿は涙無くしては見られない場面だ。また、ラピュタに到着したパズーとシータを、庭師のロボット兵が優しく迎え入れてくれてもいる。無機質ながらいいヤツなのだ。

 一方で、飛行石を手にした人間の命令には忠実である。飛行石を奪ったムスカが主導権を握ってからは、ロボット兵の凶暴さが牙をむく。ゴリアテを攻撃して人をゴミのようにしたのも、ロボット兵である。このように、物語の要所を固める重要な存在となっており、宮崎の思い入れの強さがよくわかる。

他の作品にも登場するロボット兵

TV版ルパン三世 4 さらば愛しきルパンよ(双葉社)


 さて、ロボット兵は他の宮崎作品にも登場することをご存じだろうか。アニメ『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』で、宮崎が照樹務の名前で監督を務めた第155話(最終話)「さらば愛しきルパンよ」である。

 この物語に登場するラムダというロボットが、ラピュタのロボット兵に瓜二つなのだ。何を隠そう、宮崎はこのラムダのデザインが大のお気に入りだったそう。作中で十分に活躍させることができなかったことを悔やみ、ラピュタに登場させたと発言している。

 また、ラムダは人が乗って操縦することができる設定なのだが、操縦する小山田マキは宮崎駿のヒロインの典型であると言われている。果敢に敵に立ち向かう強いヒロインで、時には弱さを見せる、この雰囲気は『風の谷のナウシカ』のナウシカそのものだ。

 『さらば愛しきルパンよ』を宮崎が監督を務めたのは1980年のことだが、その2年後の1982年、雑誌「アニメージュ」で『風の谷のナウシカ』の漫画の連載が始まった(アニメ映画化されたのは1984年)。

 ちなみに、小山田マキ役を担当した声優は島本須美である。何を隠そうナウシカの声も担当しており、『ルパン三世カリオストロの城』のクラリスや、『となりのトトロ』のお母さん、そして『もののけ姫』のトキなど、宮崎作品では常連の一人である。

 このように、「さらば愛しきルパンよ」は『風の谷のナウシカ』にも『天空の城ラピュタ』にもつながるエッセンスが至るところに見られ、ジブリファンなら「おおっ」と歓声を上げるであろう場面が目白押しだ。ラピュタを機に興味を持った人は、動画配信サイトでも見ることができるので、合わせて鑑賞をおすすめしたい。

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