【野球漫画】選手権 ドカベン、巨人の星、MAJOR、タッチ……最強キャッチャーは誰だ?
野球において「扇の要」と称されるキャッチャー。しゃがんで1人だけ違う方向を向き、投手にサインを送り160キロ近い速球を捕球するという、極めて重労働なポディションだ。
一方でプロ野球の世界では、キャッチャーは選手生命が長く、フリーエージェントでも度々話題になるなど、経験を積むほど重宝されるポジションでもある。夏の甲子園大会が始まり、盛り上がるを見せる中、今回は野球漫画に登場した最強キャッチャーを検証したい。
山田太郎(ドカベン)
日本の野球漫画に登場するキャッチャーのなかで最強の呼び声が高いのが、『ドカベン』の山田太郎だ。明訓高校に入部すると当時「超高校級捕手」と呼ばれ、後に日本ハムにドラフト1位指名された土井垣将からすぐにレギュラーを奪い取った。
天才的な打撃力で明訓高校を支えた山田だが、キャッチャーとしての能力も極めて高い。相手打者の様子や心理を読みながら的確な配球で、投手の里中智を引っ張ってきた。また肩も非常に強く、座ったままノールックの送球を見せたこともある。
プロ野球編では新人王、首位打者、ホームラン王、打点王、三冠王などタイトルを総ナメ。打撃と守備に優れた最強捕手といえば、山田を連想する人が多いのではないだろうか。
佐藤寿也 (MAJOR)
『MAJOR』で茂野吾郎のライバルとして登場した佐藤寿也。捕手としての能力は極めて高く、試合状況や相手打者の動向を踏まえて的確なリードを行うことができる。
特に茂野吾郎とバッテリーを組んだ際には、吾郎の勝ち気な性格を熟知したうえで、冷静に引っ張っていた。またバッティングではかなり勝負強く、ここぞという場面では必ずと言っていいほど結果を出していた。
実績も高く、高校時代には4番捕手として甲子園優勝、日本プロ野球で活躍したうえ、メジャーリーグでも本塁打王を獲得。この実績は「最強」と称される山田太郎を上回っているという声もある。
伴宙太(巨人の星)
『巨人の星』で、星飛雄馬とバッテリーを組んだ捕手、伴宙太。柔道の猛者として登場した際はかなり粗暴な性格だったが、飛雄馬と盟友になってからは大リーグボールの開発に協力するなど、「縁の下の力持ち」として常に飛雄馬に寄り添っていた。
巨人時代はなかなか一軍に上がることができず、飛雄馬が活躍することに満足している節があり、父親から叱咤されることも。しかし星一徹に才能を見込まれ中日に移籍してからは、猛特訓に耐え、最後の強敵として飛雄馬に対峙した。
長打力と柔道で鍛えた無尽蔵の体力、常軌を逸した根性は、凄まじいものがあった。
松平考太郎(タッチ)
『タッチ』で上杉達也・和也両兄弟とバッテリーを組んでいたキャッチャー、松平孝太郎。巨漢で腹が出ており、昭和のキャッチャー像を体現した人物だった。
「凄い捕手」という描かれ方はされなかったものの、上杉達也の超剛球を難なくキャッチするだけでも、かなり高い能力を持っていたと言える。また、野球の天才と称された和也も、孝太郎のことを信頼していた節があった。「並の捕手」ではなかったといえよう。
海堂タケシ(名門第三野球部)
『名門第三野球部』で、捕手兼監督として部を支えていた海堂タケシ。名門桜高校の一軍で4番を張ったものの監督を殴り一時退部、野球から離れていた。その後、主人公・檜あすなろの強い希望で第三野球部に入部し、「クズ軍団」に1から野球を叩き込んだ。
打撃は落合博満氏を彷彿とさせる神主打法で、「桜高の落合」と全国に名を轟かせる。また、捕手としても弱気になりがちな投手・檜あすなろを叱咤激励していた。海堂は高校卒業後、早稲田大学・千葉マリンズに進みホームラン王を獲得している。
谷津吾朗(ドカベン)
『ドカベン』で、明訓高校のライバルで土門剛介率いる横浜学院の正捕手だったのが、谷津吾朗だ。
剛球を捕ることのできる選手がいないことに悩む土門が、不良に殴られてもびくともしない強靭な身体を持つ元野球部員・谷津を見込んで捕手に抜擢。当初は剛球を捕らず「腹で受ける」という荒業を見せていた。
捕手に目覚めた谷津は県大会で敗れた後、甲子園に出場した明訓高校を追いかけ、山田太郎を研究し、捕球能力も磨く。その結果土門の剛球を難なくキャッチする捕手に成長。また、配球面でも山田のリードを読み切り、里中智から2打席連続ホームランを放っている。
短期間で土門の球を取り、さらに配球を熟知して山田をもやり込める。その成長力は、凄まじいものがあった。
一般的に野球には「捕手の良いチームは強い」といわれる。漫画でも、その格言が充実に描かれているのだ。