【漫画】女性型ロボット・ミコトの役割とは? ロボットが普及した世界描く漫画『ノイズの内側』が話題

ーーSFチックな世界のなかでロボットと人の関係を感じた作品でした。創作のきっかけを教えてください。

あおたゆきこ(以下、あおた):本作は『週刊少年サンデーS』に掲載するため創作したものであり、“ファミリー”というテーマに沿った作品を掲載する企画のひとつとして描いた作品です。家族要素も入れつつ、自分の描きたいものを描きました。後者の方が比重は大きくなってしまいましたが(笑)。

 8ページの読み切り作品であったため、いろいろなことに挑戦しようという思いもありました。SFチックな世界観や動きのあるシーンなど、これまで自分があまり描いていなかったものに挑戦した作品ですね。

ーー本作を描くなかで意識したことは?

あおた:最後のシーンのミコトの表情は気をつかって描きましたね。様々な偏見の中で、
彼女が少しでも安らぎを得たという感覚を意識して描きました。

ーーロボットが人々のコミュニティに根付いた世界を描いた思いを教えてください。

あおた:もともと人間ではない存在が好きで、その存在を主人公にした作品を描きたいと思い想像を膨らませました。ロボットがたくさんいる世界にも憧れがあり、そんな世界自分自身が見てみたいという思いも抱きながら描きましたね。

ーー人間ではない存在に惹かれる理由は?

あおた:人間ではない存在と人間がコミュニケーションをとるときには、少なからず障害や一筋縄ではいかない何かがあると思います。それを乗り越えた先の安らぎや絆が好きです。

ーー破壊するために存在するミコトを描いた思いを教えてください。

あおた:好意的な感情を持つ人だけでなく面白がっている人もいたりと、「MIKOTO」は多くの人の目にさらされる存在です。偏見もあるなかで生きる存在ではありますが、彼女にとって、偏見のなかで生きている存在にとって、なにか拠り所となるようなものがあればいいなと思って描きましたね。

ーー漫画を描きはじめたきっかけを教えてください。

あおた:小さいころに自分の絵を褒められたことがうれしくて、これまで絵を描き続けてきました。また周りに漫画を描いている友人が多く、彼/彼女たちから影響を受けて漫画を描くようになりましたね。小学校から中学、高校に至るまで不思議と周りには漫画を描いている人が多くいました。

 漫画家になろうと決めたのは3年ほど前で、漫画を描き続けるなかでこれからどうしようと悩んでいました。このまま何もアクションを起こさないのではなく商業漫画に挑戦しようと思い、コミティア(オリジナル同人誌の即売会)に出張編集部として編集者さんがいらしたので、漫画の持ち込みを行いました。そこで担当さんに就いてもらうこととなり、漫画家としての道がはじまりましたね。

ーー同人作品と商業作品を比べ、描くなかで違いはありますか?

あおた:商業作品ではどんなものを描いたら読者の方に届くのだろうということを意識するようになりました。はじめは自由に漫画を描いていたので、少しずつ商業作品を学んでいくといった感じで漫画を描いています。

 作品を人に見てもらうためには苦労することもたくさんありますが、面白いと思うこともたくさんあって。これまでひとりで漫画を描いてきたので担当さんに意見をもらうことも新鮮で、自分の描いているものが人の意見を受けて良くなっていく感覚がありますね。ひとりで描くことも楽しいですが、商業誌で描くことには別の楽しさがあります。

ーー今後の目標を教えてください。

あおた:自分の描きたい世界と、読んでくださる方が見たい世界が合致する場所を探していきたいです。まだまだ勉強中なのですが、そこを目指して漫画を描いていきたいです。

■作品情報
『ノイズの内側』
©あおたゆきこ/小学館
掲載元:2021年サンデーS3月号に掲載

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