『カラオケ行こ!』映画化決定 漫画家・和山やまの天才さがわかる3作を紹介

 6月10日、漫画『カラオケ行こ!』が実写映画として公開されることが報じられた。作中に登場する男子中学生・岡聡実役がプロアマ問わずオーディションで決定することも話題となり、注目を集めている。

 原作者の和山やま氏は、本作をはじめ発表した多くの作品が漫画賞に選ばれている天才的な作家だ。『カラオケ行こ!』の実写映画化を記念し、本稿では和山やま氏の発表してきた作品を振り返りたい。

『カラオケ行こ!』

 「このマンガがすごい!2021」オンナ編第5位や「マンガ大賞2021」第3位といった漫画賞に選ばれてきた『カラオケ行こ!』。合唱部の部長を務める岡聡実は四代目祭林組の若頭補佐・成田狂児にカラオケへ連れ出され、歌がうまくなるためのコーチをしてほしいとお願いされる。聡実は戸惑いつつ狂児と共にカラオケへ通い、組総出のカラオケ大会に備えふたりで過ごす日々が描かれる。

 もともと本作は2019年8月に行われた同人誌即売会「コミティア」で和山氏が出展した(俗に一次創作と呼ばれる)同人作品だったという。しかしイベントでは即日完売となり、2020年9月にKADOKAWAより単行本として発売されたのである。

 単行本化にあたり和山氏は同人作品であった本作に対し、台詞や登場人物の作画などといった修正を全ページに施しており、単行本だけの描きおろしも追加した。2020年11月からは『月刊コミックビーム』で大学1年生になった岡聡実が描かれる『ファミレス行こ。』の不定期連載が開始され、今も聡実の物語は続いている。

『女の園の星』

 「このマンガがすごい! 2021」オンナ編第1位や「第25回文化庁メディア芸術祭」ソーシャル・インパクト賞など、名だたる漫画賞を獲得している『女の園の星』。米津玄師や綾野剛がSNSで本作を取り上げたり、『星野源のオールナイトニッポン』内で星野源が作品を紹介したりと、数多くの著名人も虜にしている作品だ。

 成森女子高等学校の2年4組担任・星先生を中心に、女子高に通う生徒や先生たちの日常が描かれる本作。すべてデジタルツールで描かれた『カラオケ行こ!』とは対照的に、『女の園の星』はすべての線がアナログで描かれており、原稿をスキャンしデジタルツールを用いてトーンやベタなどの仕上げを行っていることが、過去のインタビューで明かされている。

 狂児をはじめとするヤクザたちの迫力を感じる『カラオケ行こ!』、コーヒーのカップやセロハンテープの台、可愛らしいフィギュアが細かく描かれた職員室など、学校のデティールが鮮明に描かれている『女の園の星』。作画という切り口から両作品を見比べてみることも面白いだろう。

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