【漫画】他社との重要な会議は“合コンテク”で乗り切れるのか? 創作漫画『職場は仲良しクラブではないんだぞ』はクセの強い笑いが魅力

「なかよしクラブ」は同僚がモデル

――『職場は仲良しクラブではないんだぞ』はどこから着想を得たのですか?

玖島川のりさん(以下、玖島川):僕が以前勤めていた広告会社では、合コンや出会い系イベントのように取引先との会議や打ち合わせに臨むスタッフがおり、その人やその周辺にいた人たちのことを思い出しながら描きました。

――具体的にはどういう人たちだったのですか?

玖島川 :その人たちは本当にいつも仲が良く、時間外勤務が深夜に及んでもそのまま飲み会に参加したり、仕事で出会った人とは必ず連絡先を交換して次の飲み会に繋げたりなど、とにかく仕事と遊びの境界線が非常に曖昧な人たちでした。

――なるほど。そんな楽しい人たちがデフォルメされて、カオスな“仲良しクラブ”が誕生したんですね(笑)。本作で特に意識したのはどんなポイントですか。

玖島川:私はいつも四コママンガばかり描いていたので、今回読切のギャグマンガを描くにあたり、“1ページ中に必ず笑える箇所を設ける”ということを意識して描きました。

――ツッコミ役の営業部長を退出させたことにより、実質“ツッコミ不在”の状況になりました。

玖島川:ストーリーの進行役を常識的な“営業部長”から、非常識な“仲良しクラブ部長”にしたかったからです。ツッコミ役は漫才やコントにおいて、物語の”進行役”になることが多いです。進行役が常識的な人だとフリ、ボケ、ツッコミの一連の流れが“予想の範疇”になるため、非常識な人を進行役にすることにより、「予想の範疇を超える展開にしたい」という狙いから営業部長を退場させました。

ツッコミ役は読者

――ツッコミ不在ですと、読者を置いてけぼりにする可能性があると思います。怖くはなかったですか?

玖島川:怖さはありませんでした。いつもSNSで公開する私の日常漫画は、ボケたままツッコミなくオチを迎え、ボケ倒した状態で読者の方にコメントなどでツッコミを入れてもらう形式がほとんどですので。

――シュールなボケがクセになりましたが、玖島川さんはボケを考える際、どのようなことを意識していますか?

玖島川:誰かを笑わせようとした時、「露骨なウケ狙いは全くウケない」ということは珍しくありません。むしろ想像していなかった展開の中に、突然笑いが生まれる瞬間が多いと考えています。ですので、なるべく結末は決めず、ある程度行き当たりばったりで描き進め、そこで偶然生まれた笑いを大切にしています。

――今後はどのような作品を制作しようとお考えですか?

玖島川:今後は会社で起きた日常漫画以外にも、今回のような実体験を基にした創作読切マンガにもどんどんチャレンジしていきたいと思っています。会社員をしてきた自分だからこそ表現できる笑いの世界があると信じて、新しい作品に挑戦していきたいです。

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