『女の園の星』『スキップとローファー』『サラウンド』……“あの頃”を思い出す、高校の日常を描いた漫画たち

『サラウンド』

 男子高校生3人を中心とした高校生活が描かれる漫画『サラウンド』。作品紹介のキャッチコピーである“繰り返す毎日は、光ってないけど眩しい。”が表すように、本作で描かれる日常は非常に何気ないものばかりだ。

 たとえば昼食時にCMなどでよく用いられる「透明感」の意味について考察したり、3人で驚かし合いながら成功した回数を競ったりなど、何気ないことを真剣に楽しむ3人の姿が描かれる。

 どれも派手さはないものの、もしかしたら高校生のころに自身もやっていた、もしくは目にしていたかもしれない光景ばかりであり、大人になってから読むとまさしく“まぶしさ”を覚える日常ばかりだ。ただ、何気ない日常が多く描かれるなか、ごく稀に恋心にも似た感情を抱くシーンや仲のいい3人がお互いに対し思うことを開示する場面も描かれる。

 青春時代の代名詞とはいえ、同じような日々を繰り返していると感じやすい高校に通う数年間。そんな日々のなかでも、今も忘れられないほど印象に残るワンシーンは存在しているはず。

 素朴な日常を忠実に、そして魅力的に描きつつ、ありふれた日々のなかにある非日常的な瞬間も描いた本作。多くの人が高校時代特有の気持ちを思い出し、作品もしくは自身の過去にまぶしさを覚えることができる作品であろう。

 本稿で挙げた作品のほかに『SKET DANCE』や『男子高校生の日常』なども高校生活を描いた漫画として挙げられる。学校で過ごすキャラクターたちの日常、そして階段や机などの細かな背景描写も含め、学校生活を描いた漫画はわたしたちに青春時代の記憶や気持ちを与えてくれるはずだ。

 

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