【漫画】定規奏者(モノサシスト)が主役のハイテンションコメディ『「ティア」は「涙」って意味なんだよ』がカオスで面白い

特徴的な“べちゃっとした顔面”

――現在の制作状況を教えてください。

アカ:創作活動は趣味で行っており、仕事の合間に制作しています。通勤中や休憩中にネタを考え、帰宅したら描き出しています。

――二頭身のデフォルメされたデザインが特徴的ですが、このデザインにたどり着いた経緯を教えてください。

アカ:元々は好きな同人作家さんの画風を真似て描いていたのですが、描いていくうちに今のようなデザインになりました。自分では“べちゃっとした顔面”と呼んでいますが、フィーリングで言っているだけなので言葉に大きな意味はありません。

――『「ティア」は「涙」って意味なんだよ』制作のキッカケは?

アカ:当時、やまもり三香先生の『うるわしの宵の月』という恋愛漫画を読んでおり、同作はコメディ要素があるわけではないですが、本当に面白い内容でした。その時、「自分がべちゃっとした顔面の女の子の学園恋愛漫画を描いたらどうなるのかな」と思ったことが最初です。また、とにかくギャグ要素は入れたかったため、“定規を弾いて演奏するバンドマンとの恋愛”にしました。

演奏シーンはあの名作を参考に

――序盤の定規を奏でるシーンはとても躍動感がありましたが、演奏のシーンはどのような点を意識しましたか?

アカ:実際に定規で演奏すると、基本的には指を弾く動作だけです。それだけでは漫画のビジュアル的に少々地味な気がしたため、かなりオーバーに腕を振り上げるなど、派手に描きました。また、このシーンを描くために参考にした作品が、石塚真一先生の『ブルージャイアント』というジャズ漫画です。

 あの漫画は、演奏中にオノマトペなどが基本的に描かれていないのですが、「勢いのある音が出ている!」と実感してしまうほど、凄まじい表現力があります。漫画ではありますが、とにかく音で心を揺さぶるすごい作品なので、ジャズに興味ない人にも読んでいただきたいですね。

――終始ハイテンションな内容でしたが、作劇についてどんなことを重視していますか?

アカ:特に何も意識せずに描いています。ただ、勢いだけでは読者さんも疲れると思いますので、やはり“間”は大切ですね。他にも、台詞も長くなり過ぎないように、なるべく短めに調整しています。とは言え、物語のテンポ調整は難しく、毎回苦労しているポイントですね。

――同人誌即売会『コミティア』に出展した際の作品だったため、オチが「コミティア」になったのですか?

アカ:おっしゃる通り、『コミティア』にちなんだオチにしました。元々は演奏が上手くいって単純にハッピーエンドにする予定でしたが、やはりそれだけでは少し物足りないと思っていました。そこで、ふと「“ティア”は“涙”って意味なんだよな」と頭に浮かび、無理矢理ですがオチにしました。

――最後に今後はどのような活動していく予定ですか?

アカ:Twitterやpixivで作品を公開していきたいです。また、『コミティア』内で漫画の持ち込みもやっているようなので、一度お読みいただき、どのような反応をもらえるのかも試してみたいですね。

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