人はなぜ漫画を“面白い”と感じる? 一見上手な8コマ漫画がプロの添削で激変
各種アプリやウェブサービス、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを発表する場が急増し、ウェブ発の人気作品も多く登場するようになった昨今。プロを目指し、ステップアップしたいと考えるクリエイターも増えていると思われるが、そんな“漫画家/イラストレータの卵”の悩みに応える「添削動画」が人気を博している。
そんななか、YouTubeで「【プロのネーム41】週刊漫画家がうまく描けるコツを教えます~トナカイとサンタの8コマ漫画」と題した動画が公開された。
動画を手がけるのは元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏。同氏が運営するYouTubeチャンネル「【 Hyde Channel 】元週刊少年漫画家ペガサスハイド」の動画の多くは、視聴者から寄せられた一見上手な漫画やイラストについて、プロの目線で細かく添削するというもの。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かしアドバイスが心地よく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できるのも、大きな魅力だ。チャンネル登録者数は15万人を超える。
今回の8コマ漫画の送付人は「ゆた子さん」。人気クリスマスソング「赤鼻のトナカイ」をモチーフに、トナカイとサンタのやり取りを物語にしていて、しっかりと起承転結のある作品に仕上がっていた。プロの漫画家を目指しているわけではないとのことだが、かなりクオリティは高い。ただ、ゆた子さんは、自身の作品を「あまり面白いと感じない」そうだ。
まず、ペガサスハイド氏は「すごく絵が上手いよね。トナカイもかわいいし、サンタの絵もかわいい。書き文字もかわいいし、ものすごく基本的なことは出来ていると思います。漫画家を目指しているわけではないと言っていたけど、すごくセンスがあると思う。『赤鼻のトナカイ』をモチーフにしているので、話もわかりやすかった」とゆた子さんの作品を絶賛した。
それからペガサスハイド氏は「ゆた子さんの漫画はわかりやすくて、このままで“面白い”と感じてくれる人も多いはず。だけどゆた子さん自身が“面白いと感じない”と考えているみたいなので、アドバイスさせてもらいました」と続けた。その上で、ペガサスハイド氏はゆた子さんの8コマ漫画に対し、「説明的な部分が多い」と指摘。「例えば、1コマ目から3コマ目までで、トナカイが悲しんでいるのは十分描かれている。それなのに、4コマ目にサンタが『それは悲しかったの』と言っている。ここで言わなくてもトナカイが悲しんでいるのは、すでに読者に伝わっているよね」と説明した。