まるで魔法? 一見上手なティーポットの静物画が“おじいちゃん先生”の添削で劇的変化

 各種アプリやウェブサービス、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを発表する場が急増し、ウェブ発の人気作品も多く登場するようになった昨今。プロを目指し、ステップアップしたいと考えるクリエイターも増えており、そんな“漫画家/イラストレータの卵”の悩みに応える「添削動画」が流行している。

 その中でもよりアカデミックな「絵画」というカテゴリの添削を行い、チャンネル登録者数を爆発的に伸ばしているのが柴崎春通氏、通称「おじいちゃん先生」だ。一人称が「柴崎」。語り口が柔らかで、穏やかな時間の流れと共に素敵な絵を完成させていく、人気のYouTubeチャンネルだ。チャンネル登録者数は100万人に迫ろうとしている。

 1月29日に投稿された「【絵画の添削12】パッと見上手な静物画もプロの画家がお直しすると…? ! ティーポットとホオズキ」と題した動画では、香港から送られてきた30代の女性が描いた「ティーポットとホオズキ」のイラストを添削することに。作品タイトルは「オータム」だという。柴崎氏はイラストを見て「上手だね。すごく作者は力のある方だと思う」と絶賛した。

【絵画の添削12】パッと見上手な静物画もプロの画家がお直しすると…? ! ティーポットとホオズキ

 確かに元のイラストも非常に丁寧な色使いがなされていて、雰囲気のある内容に仕上がっている。柴崎氏は「絵具の扱い方もとても良いですね。とても多様な表現がなされていて、形の表現もとても上手です」と語った。その上で柴崎氏は元のイラストの構図について指摘。「もっと余白部分をどうすればいいかを考えながら描いてみてください。そういう考え方も大切なんですよ」と語った。

 そうして出来上がった柴崎氏のイラストは中心に描かれていたティーポットとホオズキをやや右上に移動させ、あえて左側の空間を広く感じさせるようにした。一方で右上は暗めのグラデーションを敷くことで、左との対比を持たせた。そしてあえてホオズキを画面外にはみ出させることで「裁ち落とし」するというテクニックも伝えた。そうすることで独特の空気感が、イラストから強く伝わってくるようになった。

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