ナミ、フランキー、ブルックの過去には大きな秘密がある? 『ONE PIECE』気になる三人の出自を考察

 ワノ国編で新たな仲間を加え、遂に10人の大台に乗った麦わらの一味。一味を中心に描かれる『ONE PIECE』のストーリーは、ときに彼らの過去が大きなポイントとなった。

 そしてメンバーの中には、未だ幼少期や出身地に謎を残した人物が多く存在する。そこで今回は気になる麦わらの一味の明かされていない出自について、ワンピース研究家である神木健児氏に話を聞いた。

「一味の中で出身地に謎を残しているといえば、ナミ、フランキー、ブルックの3人でしょうか。3人に関しては、要所要所で出自に関するヒントが出されています。まずナミは原作ではなく『VIVRECARD(ビブルカード)』にて、東の海に位置するオイコット王国の生まれであるとわかっていました。またフランキーは“ある海賊”の息子であること、ブルックは“ある王国”の護衛戦団団長を務めていたと描かれています。ナミの出身国が原作ではなく『VIVRECARD(ビブルカード)』で明かされたときは、もうストーリーには関わってこないと思っていたんです。しかし『ホールケーキアイランド編』ではサンジの、『ワノ国編』ではゾロのエピソードがさらに明かされたこともあるので、しっかりと回収される可能性はあるでしょう」

 神木氏は上記の3人の謎について、どのような見解を示しているのか。

「ブルックの『“ある王国”の護衛戦団団長』は、本編で描かなくても成立するタイプの裏設定ですが、決め台詞のような文脈にあることから、尾田先生が『これを描きますよ』と宣言している感じもするので、その存在が出てくる可能性は高いと思います。またナミの正体に関しては、ファンの間で『王女だったのではないか』『古代兵器・ウラヌスなのではないか』と、さまざまな考察がされているのを目にしました。しかし私はあまりその可能性はないと予想しています。あくまでナミは(オイコット王国は関係のない)過去の境遇を経ての芯の強い一人の女性であって、それが血筋によるものだとは思えないからです。しかしナミがどうというよりも、これからワンピ―スの謎が解き明かされていく過程でオイコット王国は出てくるのかもしれません。

 東の海自体にも、実はまだ謎がたくさんあるんです。その中に、『なぜ東の海は“最弱の海”と呼ばれているのか』というものがあって。例えば『何者かの手によって東の海が侵略され、壊滅状態になってしまった。そこでオイコット王国も巻き添えをくらい、ナミは戦争孤児になってしまう』といった説も見られます。東の海の秘密が紐解かれるときに、オイコット王国も登場する可能性はあるでしょう。

 またフランキーに関しては『クイーンの息子説』が、ファンの間での候補に挙がっていました。たしかに2人の共通点は非常に多いです。しかし、もしクイーンの息子なのであれば、鬼ヶ島討ち入りの中盤辺りで描かれていたのではないでしょうか。すでにクイーンも倒されてしまったため、今後描かれる機会はないでしょう。ただ、描かれるかどうかは別として、あれだけ緻密に作り上げられている物語ですので、フランキーを捨てた海賊のエピソードは、尾田栄一郎先生の中で用意はされているはずです」

 2022年1月現在ワノ国編も終盤に差し掛かっている『ONE PIECE』は、物語の終幕に向け盛り上がりを加速させている最中だ。ますます盛り上がりをみせるこのタイミングだからこそ、神木氏には思うところがあると言う。

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