【漫画】少女が殺してしまった存在は何者だったのか? Twitter漫画『十字架を降ろす』が深い
ーー天使や十字架が表すものなど、様々なことを推測してしまう作品でした。創作のきっかけを教えてください。
たたみ:本作は学生時代に考えた物語をもとに描いた作品です。TV番組などで「十字架を背負って」という台詞を耳にしたことが創作のきっかけであり、罪を犯し背負った十字架は生きていくなかで消えることはないのか、そんなことを考えながら創作しました。
ーー本作のテーマについて教えてください。
たたみ:本作にはふたりの女の子が登場しますが、天使様は罪を許された存在として、もうひとりの女の子は罪を背負った存在として描きました。罪を意味する十字架を降ろすこと、そして新たに十字架を背負う物語として考えています。
ーー「十字架」が表す罪について詳しく知りたいです。
たたみ:他者の十字架を降ろした方が新たに十字架を背負うこともあるかと考えています。本作においては天使様の十字架を降ろしたことが、もうひとりの女の子にとっての罪でした。背負っている罪の内容を知らないまま十字架を降ろす行為は、ときに無責任な行動にあたるのかなと思って。
誰かの言葉によって罪を感じる気持ちが軽くなったりすることなど、他者の存在によって救われることもあるかと思います。しかし人が背負った罪の意味を理解せず、第三者が「いいよ」と許す行為が罪になってしまうこともあると思い、十字架を降ろした女の子が罪を背負ってしまう物語として本作を描きました。
ーー十字架を背負う女の子を天使として描いた理由を教えてください。
たたみ:もともと十字架を背負う女の子を天使にする構想はありませんでした。漫画を手に取ってもらったとき、最初の数ページで読んでもらえるようなインパクトがほしいという思いから描いたのが、冒頭の台詞「人は皆/罪人だとは言いますが」というモノローグです。心が清い人も罪を背負っていることを表現するため、十字架を背負ってもらう女の子を天使にしました。
ーーたたみさんが創作活動をはじめたきっかけを教えてください。
たたみ:中学生のころにファンタジー作品を読み、自分もお話をつくりたいと思ったことがきっかけです。作品を描くなかでSNSに自分の作品を投稿しようという思いが芽生えた反面、自分の作品が人様に見てもらえる水準に達しているのかとか、叩かれてしまったらどうしようかなど、不安も感じていました。ただ自分が感じたモンモンとした気分や考えたことに少しでも共感してくれる人、仲間がいたらうれしいなと思い、勇気を出してTwitterに自分の作品を投稿しました。
ーー本作はたたみさんが学生のころに考えた物語をもとに描いた作品だと伺いました。
たたみ:学生のころは暇さえあればお話をつくっていましたが、社会人になってからは仕事の忙しさから数年ほど創作活動ができませんでした。ただ仕事が落ち着いたとき、やっぱり創作活動を再開したいなと思ったのです。しかし、いきなりお話をつくろうとしても病み上がりのような気分で頭が動かず、学生時代に考えたお話をもとに漫画作品を描き始めました。
むかしは時間があっても描く技量が足りず、作品にならなかったお話が多くありました。今はその反対で、時間はないけど技量はあるという状況になったのです。学生のころに叶えられなかった夢、形にしたかったものを作品として描いています。
ーー学生のころに考えた物語を作品にするなかでどのような感情を抱きますか。
たたみ:不思議な気持ちです。むかしは絶対に無理だと思っていたんです、自分の考えたお話を形にすることが。ここまであきらめず絵を描き続けていてよかったと感じています。
また今の自分には学生のころの発想やスピード感でお話をつくることはできないと思っているため、学生であったころの自分には感謝していますね。
ーーたたみさんが漫画作品を描き続けるためのモチベーションについて教えてください。
たたみ:作品を描き終えたときや、自分の作品を読み返したあとに、やりきったという気持ちになることが作品を描くモチベーションとなっています。そしてSNSで作品に関する考察をしていただいたり、絵が好きなどの感想をいただいたり……。そういった声もモチベーションとなっており、第三者の支援がないと創作活動を続けられないと思っています。
ーー今後の活動について教えてください。
たたみ:今のところは趣味として創作活動を続けたいです。今年の2月に出店を予定している一次創作作品の即売会など、そういったイベントを介して自分の作品を色んな人に知っていただける機会をつくっていきたいです。