マウンテンボール、光の芸術、さとるボール……野球漫画の巨匠・水島新司が予見した魔球たち
160キロ超えの豪速球
水島氏原作『球道くん』の主人公・中西球道が、『大甲子園』でドカベン・山田太郎と対戦。その際に投げ込んだストレートは163キロで、山田はライトラッキーゾーンに球を運んだ。
プロ野球選手でも難しく、まして高校生が160キロを超えるボールを投げるなど、一昔前は想像もできなかった。しかし、現在千葉ロッテマリーンズに所属する「令和の怪物」こと佐々木郎希投手が、大船渡高校時代に非公式戦で163キロのストレートを投げ込み、野球界を驚かせている。
また、公式戦では現ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が、花巻東高校時代に岩手県大会で160キロを記録している。「高校生で160キロ」は現実となった。
高い先見性
取り上げた変化球に加え、甲子園の「ルールブック上の盲点」など、随所に先見の明が見られる水島作品。水島先生が亡くなっても、作品の面白さと先見性は語り継がれていく。選手たちが、水島作品で描かれた夢のプレーを実現していってくれることにも期待したい。