「マンガ大賞2022」ノミネート作品徹底解説 『ルックバック 』から『海が走るエンドロール』まで、受賞作はどれだ?
どこへ向かって進むのか。そんな興味を抱かせるのが、うめざわしゅん『ダーウィン事変』だ。チンパンジーと人間の間に生まれた「ヒューマンジー」のチャーリーを巡って起こる騒動を描いたシリーズで、動物解放同盟(ALA)という組織がチャーリーをシンボルに祭り上げようとしてテロを起こし、人間はチャーリーを厄介者扱いする中で、動物とは何か、人間とはどのような存在なのかといった問いが投げかけられる。チャーリーが見せる身体能力をフルに発揮したアクションも見どころだ。
1961年のデビュー以来、『男組』や『クライングフリーマン』といったヒット作を生み出し続けてきた池上遼一がマンガ大賞に初登場。ノミネート作『トリリオンゲーム』は『アイシールド21』で村田雄介、『Dr.STONE』ではBoichiと組んだ稲垣理一郎の原作で、1兆ドルを稼いで世界を買おうと目論むハルとガクという若者2人が、ハルは着想とハッタリ、ガクはITスキルを駆使して事業を軌道に乗せ、成り上がっていく様を描く。不良学生が権力に挑む『男組』や、アメリカンフットボーラーが挫折を経て悪の巨大組織を倒す『傷追い人』の凄惨さとは違った、とことん前向きで明るい戦いぶりが痛快だ。
以上、10作品を選考員はすべて読んだ上で、1位から3位までを選んで投票。ポイントが最も多かった作品が「マンガ大賞2022」として選ばれる。発表は3月中旬から下旬を予定。『ちはやふる』『3月のライオン』『ゴールデンカムイ』といった話題作を選び、『BEASTARS』『ブルーピリオド』と受賞後まもなくアニメ化される作品も多く出しているマンガ大賞に輝くのはどれだ?