見る人をワクワクさせる絵のポイントは? ポケカ公認イラストレーターが徹底解説
SNSや各種アプリをはじめとするウェブサービスの拡充により、漫画やイラストを発表する場が増加している現在。YouTubeを中心にプロの漫画家やイラストレーターの「添削動画」が人気を博しており、そのなかでも細やかなポイント解説で高い人気を誇るのが、「ポケモンカード(ポケカ)公認イラストレーター」としても活躍するさいとうなおき氏だ。YouTubeのチャンネル登録者数は80万人に迫ろうとしており、常に高い再生数を記録している。
11月18日に公開された動画『【気まぐれ添削77】見た人を「ワクワク」させよう!!』では、PN:やややっこさんが手掛けた、小さな悪魔の女の子ふたりを描いたイラストが取り上げられた。誰かが注文したパフェを横取りしようとしている様子が生き生きと描かれており、一見してとても上手に見える。
さいとう氏も、「とにかく完成度がすごい」として、キャラクターが身に纏っている小さなアクセサリーの一つひとつまで細やかに、かわいらしく仕上げられていることに、「かわいいをたくさん詰め込もうというエネルギーの高さを感じる素晴らしい作品」と評した。
一方で、さらなるステップアップのポイントとして、「いい意味でも悪い意味でも“頭のいい絵”で、ちょっとまとまりすぎている」という課題を挙げたさいとう氏。うまくまとまった絵は“ワクワク感”に欠けがちだという。作者の「もっとさっぱりまとめたい」とコメントしているが、その“さっぱり志向”がワクワク感を削いでしまっていると指摘し、実際に添削をしていく。
詳しくは動画をチェックしてもらいたいところだが、さいとう氏はまず「絵の主役がキャラクターの顔だけになってしまっている」ことに注目し、キャラクターのポーズを調整。確かに、キャラクターに目が行くのは重要なことだが、今回のイラストについては「パフェ」も同様に主役であるべきで、さいとう氏はパフェを強調するため、悪魔の女の子にスプーンを持たせ、パフェをすくわせるのだった。
また、画面全体に対してキャラクターがやや小さく描かれているため、「無駄な空間が多く感じてしまう」として、ひとまわり大きく修正。なるほど、キャラクターがアップになったことで“ワクワク感”は確かに増した印象だ。比較して元のイラストはやや没入感に欠け、一歩引いたような感覚になることがわかる。