【漫画】不思議すぎる生物が旅人に教えてくれたこととは? Twitterで話題『セルキーの浜辺』の問いかけ
ーー作中に漂う幻想的で穏やかな雰囲気が印象的な物語でした。『セルキーの浜辺』を創作したきっかけを教えてください。
ぴえ太:最初に「セルキー」のキャラクターを作っていたことと、海を舞台にした作品を描きたいと思ったことがきっかけです。いつもキャラクターが出来てから物語に組み込んでいます。
ーー「セルキー」はかわいらしさを覚えつつ、野生動物のような凶暴さや、人間のような態度をしたりと、不思議で魅力的な生き物だと感じました。
ぴえ太:当初「セルキー」は森の生き物としてデザインしていたので、頭部は花のつぼみのようなかたちになることをイメージしていました。途中で海の生き物に変更して、首長竜やアザラシの要素を足していきました。
またセルキーは絶対に人の言葉を話しません。会話が出来てしまうと親しみやすさが出てしまい、野生動物らしさが無くなってしまうからです。言葉を話さない代わりとして表情に人間臭さを出して、セルキーの心情がわかりやすくなるように意識しました。
ーー作品を描くなかで苦労したところは?
ぴえ太:『セルキーの浜辺』はストーリーの盛り上がりもオチもいまいちピンとこなくて、何度もプロットを書き直しました。悩んでいるとき、たまたま夢で浜辺を掃除するおじさんを見て、これは使えるかもしれないと思い物語に組み込んでみました。
すると、どうしたらセルキーやおじさんは幸せになるか、ピエールには何が出来るかといった新たな悩みが出てきて、最終的に物語をまとめることにとても苦労しました。『セルキーの浜辺』に限らず、そのほかの物語も最後のオチを考える際にはいつも悩んでいます。
ーー本作はぴえ太先生の手掛ける漫画『赤鼻の旅人』のお話のひとつだと伺いました。作品に込められた思いを教えてください。
ぴえ太:『赤鼻の旅人』に出てくるキャラクターたちは、種族に限らずみんな困難や問題を抱えていて、主人公「ピエール」は彼らと共にそれぞれのやり方で克服したり、受け入れ向き合おうと奮闘し行動します。辛いこともあるけれど、人とふれあうあたたかさを漫画から感じていただければ幸いです。
ーー多様な生物が人のように暮したり、優しさだけでなくスリやカツアゲなども存在する世界を舞台とした点が印象的でした。
ぴえ太:道化師や人ではない生き物など、自分が好きなものを合わせて作った作品が『赤鼻の旅人』です。色んな種族が共存するなかで、いさかいや差別は必ず起こるだろうと考えているので、平和ばかりではない世界観にしました。
ーーSNSで漫画を投稿し始めたきっかけは?
ぴえ太:自分の想像だけで終わらせたくないと思い、なにか形に残したかったこと。そして誰かに見ていただくなかで、自分の力が何処まで通用するのか試してみたかったことがSNSに漫画を投稿したきっかけです。
ーー自身の指をペンにして作品を描き始めた経緯を教えてください。
ぴえ太:恥ずかしながら、自分はスマートフォンしか持っていなかったからです。アナログでも少しは描いていたのですが、直線を引くのが苦手で……。デジタルで描くために調べていたら、スマートフォンでも絵や漫画が描けて、なかには指で描いている人もいることを知りました。自分もやってみようと思って練習し、慣れるとスマートフォンと指で描くことがとても快適に感じるようになりました。
ーー今後の活動や目標について教えてください。
ぴえ太:スマートフォンで絵を描いていたら腕を痛めてしまったので、タブレット端末を購入して絵を描くこともどうかなと考えています。また『赤鼻の旅人』は同人誌で本を出していますが、いつかは電子書籍でも出してみたいと思っています。その為に話数を増やしていきたいです。
ぴえ太さんの作品が購入できる通販サイトはこちら:https://pieta-0.booth.pm/