母との絆、たまちゃんとの友情……『ちびまる子ちゃん』笑いあり涙ありの感動エピソード3選

 フジテレビ系列で1990年から放送され、「国民的アニメ」と称されるほど人気が高いさくらももこ原作の『ちびまる子ちゃん』。原作は『りぼん』に掲載され、その後単行本としても発売された漫画である。

 そんな『ちびまる子ちゃん』には、心温まるエピソードが数多く存在する。今回は漫画の中から、感動的な物語を振り返ってみたい。

ひとりになった日(3巻)

 これは『ちびまる子ちゃん』単行本3巻、「ももこ」が初めて東京で1人暮らしをする様子を描いたストーリーだ。

 東京での生活を控え、お母さんとともに静岡から新幹線に乗って高円寺のアパートに来たももこ。入社式前日、アパートの台所で煮物を作る母親の背中を見た彼女は、徐々に寂しさを募らせていく。

 夕飯を食べながら「明日帰る」と話すお母さんに、ももこは「会社から帰ってくるまで帰らないで」と引き止める。そんな様子にお母さんも「明日からももこがそばにいないと思うとどうしよう」と寂しそう。

 入社式の日、ももこが懇願したこともあり、お母さんは帰宅するまで待っていてくれた。そして顔を見たところで、荷物をまとめ静岡に帰ろうとする。お母さんをももこは見送りに行くが、なかなか離れられず、遂に東京駅までついていく。新幹線を暫く待つことになったお母さんは「もう帰りなさい」と促す。2人とも目に涙を浮かべていた。

 1人での帰り道、電車の中で「わたしは今日から1人になりました。家に帰っても誰もいません」と寂しさを募らせるももこ。家に帰ってみるとお母さんからの書き置きが残されており、「マンガを楽しみにしてるよ。お勤めも頑張ってね」と書かれていた。ももこはその手紙を見て、号泣した。

 1人暮らしを経験した人なら、誰もが経験する親との別れ。親と子、それぞれの立場で感動できる作品だった。2ヶ月後、会社をクビになるというオチもついていたのだが、それも笑い話だ。この話は実際に作者のさくらももこ氏体験したエピソードである可能性が高いと見られている。

いつもの帰り道(5巻)

 話はももこの中学時代。男子と喧嘩をして連戦連勝のももこは友達のなっちゃんが生理になったことに衝撃を受ける。自分は、まだだったのだ。そして同級生の内田が事あるごとに「女子プロレスラーになれ」などとイジメ、ももこは苛立ちを隠せずにいた。

 思い悩むももこが家族とテレビを見ていると、初潮の話題に。なんとかしようとしたお父さんが「ももこはまだか?」と聞くと、空気が凍る。ももこは「自分は女だと思っていたけど、実は男なのではないか」「男でも女でもない謎の怪人間なのではないか」と思い悩むようになる。

 しばらくして、心配をよそに生理が来たももこ。赤飯を炊こうとしたお母さんは「これで少しは女の子らしくなるかもね」と笑う。翌日、ももこは学級会が遅くなり、よく喧嘩をしていた内田に家まで送ってもらうことになった。イジメてくるものと思われた内田が、なぜか何も喋らず歩いていることに違和感を覚え、家の前に着くと走って去っていったことに恥ずかしさを覚えた。

 お母さんから「ボーイフレンド?」と聞かれ、必死に否定するももこ。そんな状況に「女の子になる気持ち、少しずつわかってきたみたい」と感じた。

 女性特有の経験をリアルに描いた内容と、恋への目覚め。お父さんの空回りも含め、笑いあり、涙ありのストーリーだった。