草野球助っ人、プロレス、スタントマン……「こち亀」両津勘吉が挑んだ肉体系アルバイト4選

 人並み外れた体力を持つ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公、両津勘吉。破天荒な生き方をする彼は、たびたび金を使い込んでしまい、埋め合わせのためアルバイトに励むことがある。そんな彼が最も力を発揮するのが、体力系の仕事だ。両津が経験した体を張ったアルバイトを振り返ってみたい。

草野球助っ人

 大会の準決勝を前に、怪我人が出て困っていた商店街の草野球チームから「とびきりパワーのあるやつ」として助っ人を頼まれた両津。優勝したら借金24万円帳消し、2位なら半額という条件で参加を決意する。

 準決勝ではピッチャーを務め、剛球で相手打者のバットと腕まで折り、打者としてはホームランを放つ。その迫力に負けた相手チームの選手は怪我人連発となり、3回表で棄権。決勝に駒を進めた。

 決勝戦の相手は投手が元プロ野球選手で、他のメンバーもオリンピック出場者などが揃い、両津チームは大苦戦。5回を終わって23対0と大差をつけられる。さらに雨が強くなり、審判がコールドゲームを提案した。

 両津は借金帳消しがかかっているため、強行に試合続行を主張。その迫力に押されたのか、相手チームも承諾し、試合を続けることになる。雨が酷くなり、前も見えない状況のなか、試合は両津がタイムリーや泥と一緒にボールを投げる魔球で奮闘し、23対22まで追い上げる。

 雨足が強く、首まで水に浸かる中、両津が「シンクロナイズド打法」を披露し、逆転勝利したものと思われた。翌日も両津は派出所で中川や麗子に勝利したと胸を張るが、草野球チームのメンバーが派出所を訪れると「8回の裏に審判が流されて試合の最終結果を誰も見ていない」として、もう一度試合をするよう頼みに来た。

 納得の行かない両津は「俺は勝った」と強硬に主張。中川が「これは水掛け論だ」と上手いことを言って締め、その後どうなったかは明かされなかった。(52巻)

プロレス

 路上で喧嘩をしていたヤクザ2人を投げ飛ばした両津。その様子を見ていたプロレスのスカウントマンがレスラーになるよう要請するが、両津は拒否する。

 するとスカウトは「レスラーがだめならコーチになってくれ」と話す。首を縦に振らない両津だったが、「月20万出す」と聞くと、「話だけでも聞くか」と態度を一変させ、承諾した。コーチ両津はレスラーに「パニック放射能漏れ落とし」という技を若手に授けるが、難しく習得できない。そんななか、団体の地方巡業に帯同することになった。

 団体の企みで前座試合に出場することになった両津。客席に大原部長を発見し、「クビになるから出られない」と騒ぐ。ところが酒に酔った主力レスラー・ダイナマイト百五重屯が大暴れし収拾がつかなくなったため、なし崩し的に両津がマスクを被って試合に出場する。

 ダイナマイト百五重屯に投げ飛ばされた両津は、客席にいた大原部長と激突すると「すいません、部長」とつい謝罪してしまう。リングに戻った両津はまたもコーナーポストに投げられ、マスクが脱げ、正体がバレてしまった。

 怒った両津は「こうなりゃ石頭比べだ」と、ヘッドバッドを敢行。見事にダイナマイト百五重屯相手をノックダウンする。スカウトマンに褒められた両津だが、正体を知った部長が歩み寄り、「なんでお前がいるんだ」「今すぐ署に戻って仕事をしろ」と激怒されてしまう。

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