百人一首に詠まれた心と背景を完全図解 『百人一首 解剖図鑑』

 かるたとして時代を超えて親しまれ、『ちはやふる』や『超訳百人一首 うた恋い。』などマンガやアニメの題材としても幅広いファンを獲得し続ける「百人一首」をまるごと解剖した『百人一首 解剖図鑑』が、エクスナレッジより発売された。

 本書は、100首の和歌、上の句・下の句それぞれを完全図解。見るだけで歌に込められた思いを理解することができる。さらに100人が生きた飛鳥・奈良・平安・鎌倉時代の歴史と暮らしも学ぶことができる。

 『百人一首』のみならず、和歌や古典文学の入門書としても活用できる1冊となっている。

谷知子コメント(はじめにより)

『百人一首』を通じて百種類の心にふれていると、感情が自然と形づくられていく感覚を覚えることがある。しかも、教えられるというのではなく、ゆったりとある方向に誘われていくのだ。これは、あくまでも芸術の力で、絵画や音楽によって心が形づくられたり、感動で涙がこぼれるという経験に近い。

■著者:谷知子(たに・ともこ)プロフィール
フェリス女学院大学文学部日本語日本文学科教授。1959年、徳島県生まれ。大阪大学文学部国文学科卒、東京大学大学院博士課程単位取得。博士(文学)。専攻は和歌文学。九条家を中心とした新古今時代の和歌をはじめ、和歌から天皇を論じる研究も行っている。著書に『中世和歌とその時代』(笠間書院)『和歌文学の基礎知識』『天皇たちの和歌』『古典のすすめ』(角川選書・KADOKAWA)『ビギナーズ・クラシックス日本の古典 百人一首(全)』『カラー版百人一首』(角川ソフィア文庫・KADOKAWA)など多数。

■書籍情報
『百人一首 解剖図鑑』
著者:谷知子
出版社:エクスナレッジ
発売日:2020年12月25日
価格:本体1,600円+税

■主な章構成
序章:5分で分かる百人一首/百人一首の成立/百人一首の氏族たち/身分が分かれば社会が見える/和歌に詠まれた名所「歌枕」
1章:飛鳥・奈良時代
2章:平安時代前期(律令期)
3章:平安時代中期(摂関期)
4章:平安時代後期(院政期)
5章:鎌倉時代

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