『BLEACH』はなぜ“オサレ漫画”と称されたのか? 独創的な世界観を紡ぎ出す、久保帯人の画力とワードセンス

 さらに、『BLEACH』を語る上で欠かせないのはポエムの数々だ。原作単行本の表紙に描かれたキャラクターに関連するポエムが、1冊ずつ掲載されているのだが、それも『BLEACH』の世界観を際立たせることに一役買っている。ほとんどが抽象的であるが、よく噛み砕くことでキャラクターの心情がわかったり、伏線になっていたりする作りなのだ。本編以外の部分にこうした仕込みがされているのは『BLEACH』ならではだろう。まさに繰り返し読みたくなるポエムなのだ。

 画力、コマ割り、言葉選び、セリフの言い回し、ポエム。その他にも『BLEACH』の“オサレポイント”は挙げれば切りがない。そして、その多くが、作者である久保のセンスに起因するところが大きい。できることなら、一度彼の脳内を覗いてみたいものである。

■書籍情報
『BLEACH』(ジャンプ・コミックス)74巻完結
著者:久保帯人
出版社:株式会社 集英社
https://www.shonenjump.com/j/rensai/bleach.html

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