『ママレード・ボーイ』から13年、光希と遊の関係はどうなった? 「りぼん」変化した結婚観

亜梨実がみせてくれた新しいキャリアの築き方

『ママレード・ボーイ(1)』

     3年の別居はともかくとして、亜梨実と銀太が直面した問題は現代の日本社会の一端を上手に描いてくれたなと感じました。

    彼らが経験した通り、現在の会社の仕組みの中では女性がキャリアと出産を両立させることは非常に難しい問題。実績を積まなければならない20代・30代に妊娠・出産でキャリアが中断してしまうことは、今後キャリアを積み上げていきたい人にとっては非常にリスキーです。キャリアか子どもか? その選択を迫られているのが現在の日本社会で働く女性たちです。

    その点、亜梨実はやり方こそ強引でしたが、今取れる中でほぼ最適解と言っていい選択をみせてくれました。アラサーまでに社内で盤石なキャリアの体制を築いてみせ、おまけに出産・育児に対する社内の理解や協力も十分という会社を選択しています。なかなか真似できることではありません。彼女がいかに優秀なのかよくわかるエピソードでした。

   光希と遊、亜梨実と銀太にみられる通り、日本の女性の結婚観や働き方はママレ世代がりぼんっ子だった頃とは大きく変化してきています。その変化を上手く物語に反映させてくれた『ママレード・ボーイLittle』は懐かしさと共に嬉しさを感じさせてくれました。「主人公たちも私たちと同じ年代を生きてきた」。そう思わせてくれる作品でした。

■水城みかん(みずき みかん)
経理・フィットネス・Amazon系を中心に各種Webメディアにて執筆。趣味は漫画・アニメ。AlexaとVODに依存したひきこもり生活を満喫中。

■書籍情報
『ママレード・ボーイ Little(1)』
吉住渉 著
価格:本体419円+税
出版社:集英社
公式サイト

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