江戸の町に今も潜む怨霊と物怪『江戸の怪異と魔界を探る』 いわくつきのスポット紹介も
江戸の町に今も潜む怨霊と物怪、怪奇譚にまつわる、いわくつきのスポットを紹介する書籍『江戸の怪異と魔界を探る』が、4月13日に発売された。
江戸は鬼の進入を防ぐための「鬼門封じ」がほどこされている町であり、魑魅魍魎が巣くう「魔界」たりうる場所だったという。天狗、狐、河童、髪切、池袋の女の妖怪、お岩さん、お菊、累の幽霊、平将門、小幡小平次、新田義興の怨霊、鬼門封じに七不思議など。江戸の人々が出合った怪異と庶民の暮らしに寄りそう魔物たちの正体に迫り、土地に蠢く闇の歴史をひもとき、江戸の「魔界」を紹介していく一冊だ。
時代小説ファンには、江戸時代の文化背景、物語の舞台、設定を知る上での資料として。歌舞伎、落語鑑賞を趣味とする方々には、お馴染みの怪談話が生まれた背景を学ぶ一冊として楽しむことができる。さらに怪異、怪談スポットには、掲載地図を頼りに実際に訪れことができる構成となっている。
■目次
江戸を魔物から守る「鬼門封じ」──鬼の出入り口をふさぐ四神と寺社
江戸に蠢く「怨霊」に迫る──実在した人物が江戸の人々に祟る恐怖
江戸にあらわれた「妖怪」の真実──天狗、河童、変化……妖怪の正体をひもとく
恨みを残した「女幽霊」の正体──幽霊と妖怪は何が違うのか?
江戸の「魔界」を探訪する──今も残る魔界の痕跡を辿る
■監修/飯倉義之(いいくら・よしゆき)
千葉県出身。國學院大學文学部准教授。民俗学・伝承文芸学を専門にし、怪異・怪談、妖怪伝承に造詣が深い、新進気鋭の学者。妖怪をこよなく愛し、研究室は全国で集めた妖怪グッズであふれている。共著に『猫の怪』(白澤社)、共編著に『ニッポンの河童の正体』(新人物往来社)、『日本怪異妖怪大事典』(東京堂出版)、共監修に『京都・江戸 魔界めぐり』(NHK出版)、『日本の妖怪』(宝島SUGOI文庫)などがある。
■書籍情報
『江戸の怪異と魔界を探る』
監修:飯倉義之
発行:カンゼン
定価:本体1,700円+税
<発売中>
http://www.kanzen.jp/book/b507804.html