ときのそら、決して立ち止まらなかった進化の証 夢を引き寄せるEP『CHECK!』が今リリースされた意味

VTuberグループ・ホロライブを運営するカバーによる最初のVTuberで、“ホロライブのはじまり”として知られるときのそら。彼女の最新EP『CHECK!』がリリースされた。
VTuber文化の黎明期となる2017年にデビューしたときのそらは、今年の9月で活動9周年。いよいよ記念すべき10周年が来年に迫っている。彼女の10周年は、ある意味そのままホロライブの10周年でもあり、VTuber文化の中でもアイドル要素をメインに活動してきたタレントたちにとって、「長く続く文化になった」というひとつの到達点とも言える出来事だ。そんな彼女がデビュー当初から目標に掲げてきたのが、小さい頃観客として足を運び、自分もステージに立ちたいと思ったきっかけの会場、横浜アリーナでのライブだ。
この彼女の夢は過去の様々な楽曲にも反映されており、たとえば2020年の楽曲「ゆっくり走れば風は吹く」では、間奏で初配信の様子をサンプリング。VTuber文化自体が将来どうなるかもまったくわからない状態だった時代のデビュー直後の彼女が、「いつか横浜アリーナとかでライブして、みんなでライブ! みたいなのを、やっていきたいなって思います」と無邪気に語るフレーズが挿入されている。また、2023年の夏企画『ホロライブ・サマー2023』のメインテーマとしてリリースされたhololive IDOL PROJECT名義の全体曲「青春アーカイブ」では、ホロライブの歴史の原点に焦点を当てるように、MVで前述の横浜アリーナでの彼女のライブ体験がアニメーションで描かれたのも記憶に新しい。
そして、9周年を迎えた彼女は11月7日に昼夜2公演開催される横浜・ぴあアリーナMMでのライブ『ときのそら 9th Anniversary Party「Everyday of Light」』を目前に控えており、夢の横浜アリーナでの単独ライブの実現も“あともう少し”というところまで来ている。10周年に向けてさらにギアを上げるタイミングでリリースされたのが、この最新EP『CHECK!』だ。
全編を聴いてまず印象的なのは、今回も音楽性の幅をさらに広げているということ。100曲を超える彼女のディスコグラフィを初期から辿ってみると、ボカロ曲を原曲キーで歌いこなせるハイトーンボイスで注目を集めた最初期から、王道アイドルのイメージを確立した時期、そして徐々にクラブミュージックやディスコ/ファンク、ジャズ、バラードなどを通して楽曲の幅を広げてきた近年まで、作品ごとに新しい要素を取り入れてきたことがわかるが、その傾向は『CHECK!』でより顕著になっている。
1曲目の「マルゴトミライ」は彼女の楽曲では珍しいラップパートから始まる軽快なポップチューン。ブラスなども加えたポップソングからEDMまでめまぐるしく曲調やテンポが変わる楽曲展開や、時にメーターを振り切るように高音に振り切れるテクニカルなメロディを楽しげに歌いこなしている。2曲目「ハイパーチャッチャカチャージ」は「ジャーン!」というドラの音で幕を開ける四つ打ちのダンサブルな高速ポップチューン。〈不可能かNOかなんて気にしない〉〈GOGOGO 五万里の道も一歩から〉など、語感のいいリズミカルなボーカルが印象に残る。2曲ともに、ライブでの盛り上がりが浮かぶ楽曲だ。
そういった意味でもう1曲強烈なインパクトを残すのが、じんが作詞作曲し、すくろーすとともに編曲も担当した3曲目「スキ⇄スキ☆うろぼろす」。この楽曲は「ときのそら自身が、ときのそら自身に向けて愛を叫ぶ」というテーマで制作され、自分に限界化したときのそらが〈「……え、そらちゃんの魅力ですか?/いやぁ、それって『酸素、美味しいですか?』 /みたいな質問ですよね(圧)〉など、ひたすら限界化してまくしたてるように愛を叫ぶ楽曲になっている。楽曲後半にはギターやベースを〈うるさい!〉と制止してまでときのそらがときのそらへの愛を語り続ける瞬間も。終始賑やか&コミカルでありつつ、同時にライブでは観客がコールを担当することで、音源とはまた違った意味が加わってくるような光景も想像できる。
4曲目「キラメキMODE!feat. 響咲リオナ」は、同じくホロライブに所属する5人組ユニット・FLOW GLOWのリーダー、響咲リオナがゲストアーティストとして参加し、サウンドプロデューサーにTeddyLoidを迎え制作されたサマーキラーチューン。彼女は表現力のあるダンスと安定した歌声に加えラップまで得意とする、歌やライブパフォーマンスに定評があるメンバーだ。この楽曲ではまるでK-POPグループが制服衣装でパフォーマンスするティーンポップのような、軽快なダンスポップを2人で披露。お互いの歌声の相性のよさを感じる、キラキラとした雰囲気の楽曲を見事に歌い上げている。
ラスト曲「決意のソラへ」は、これまでの活動を振り返りつつ〈終わりのない夢を/ずっとずっとずっとずっと/追いかけて行こう〉という、これからへの気持ちが歌われるポップチューン。全編を通して10周年に向かっていく今の彼女の思いを詰め込んだ内容になっている。歌詞は長年のリスナーであればあるほど感涙しそうなエモーショナルなものでありつつも、全体的に疾走感のある楽曲に仕上がっていて、感傷的なだけではない、さらに先を目指して進んでいくようなムードが、5曲入りのEPに爽やかな余韻を加えているように思える。
7日に開催される『ときのそら 9th Anniversary Party「Everyday of Light」』の光景が早くも浮かんでくるような仕上がりのEP。たとえば、「マルゴトミライ」の〈ちっちゃくマルゴトミライ!〉〈でっかくマルゴトミライ!〉〈全力マルゴトミライ!〉はそのままライブのコール&レスポンスのよう。また、限界化しながらコールする観客の姿が浮かぶ「スキ⇄スキ☆うろぼろす」は、おそらくライブの盛り上がりのピークのひとつになるだろう。コミカルなものからエモーショナルなものまで、ライブ当日は9周年を迎えた彼女の多彩なポップの引き出しを披露してくれそうだ。
2017年から活動を始めたVTuberの最古参のひとりとして、他人に流されることなく、ひたすらマイペースに夢へと向かっていく姿が印象的なときのそら。今回のEP『CHECK!』には、そんな彼女の変わらない姿勢と、10周年に向けてさらに新しい表現に挑戦していく姿が詰まっている。長年追いかけてきた夢の実現まで、あともう少し。9周年の節目に開催されるぴあアリーナでのライブは、その先にある大きな目標へと繋がる、またひとつの大切なステージになりそうだ。


◾️リリース情報
『CHECK!』
11月4日(水)リリース
・初回限定盤(2CD):4,400円(税込)
・通常盤(CD):2,750円(税込)
<封入特典(初回生産分のみ):スペシャルイベント応募シリアル>
配信:https://TokinoSora.lnk.to/check
<DISC1>
01. マルゴトミライ
作詞:Kijibato、Akki 作曲:Akki、Kijibato 編曲:Kijibato、Akki
02. ハイパーチャッチャカチャージ
作詞・作曲・編曲:眞塩楓
03. スキ⇄スキ☆うろぼろす
作詞・作曲:じん 編曲:すくろーす、じん
04. キラメキMODE! feat. 響咲リオナ
作詞・作曲・編曲:TeddyLoid
05. 決意のソラへ
作詞:まつもとななみ 作曲・編曲:藤原彩豊
<DISC2(初回限定盤)>
01. Swallow Tail(Acoustic Arrange ver.)
作詞・作曲:buzzG 編曲:涼木シンジ
02. Diva(Acoustic Arrange ver.)
作詞・作曲・編曲:Aira(Dream Monster)
03. Dancing Reed(Acoustic Arrange ver.)
作詞・作曲・編曲:アオワイファイ
04. はじまりは一直線(Acoustic Arrange ver.)
作詞・作曲・編曲:眞塩楓
05. ユメゾラ☆ファンファーレ(Acoustic Arrange ver.)
作詞:まつもとななみ 作曲・編曲:藤原彩豊
◾️ライブ情報
『ときのそら 9th Anniversary Party「Everyday of Light」』
日時:2026年11月7日(土)
Day:Sunlight Stage 13:00開場 / 14:00開演
Night:Moonlight Stage 17:30開場 / 18:30開演
会場:ぴあアリーナMM
特設サイト:https://tokinosora-live.com/sorapa2026-pia-arena-mm/
◾️関連リンク
YouTube SoraCh. ときのそらチャンネル:https://www.youtube.com/@TokinoSora
ときのそら Official X(旧Twitter):https://x.com/tokino_sora
ときのそら Official TikTok:https://www.tiktok.com/@tiktokinosora
ときのそら アーティストページ:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A026407.html
























