ユッコ・ミラー「何が出てくるのか自分でもわからない」 型破りなスタイルに集った仲間 デビュー10周年記念ライブを振り返る

ユッコ・ミラー、10周年記念ライブを語る

「私はジャズ聴くから」――とがっていた高校時代

――ジャズが好きになる前は、どんな音楽を聴いていたんですか?

ユッコ:映画音楽です。小さい頃から古い映画の音楽をずっと聴かせてもらっていて、そのあとにジャズを聴くようになりました。家に映画のサントラがたくさんあって、母のお腹のなかにいる頃からたくさん聴かせてもらってたみたいです。

――どんな映画音楽が好きですか?

ユッコ:「シェルブールの雨傘」とか「ゴッドファーザー 愛のテーマ」とか。ガトー・バルビエリが担当した『ラストタンゴ・イン・パリ』のサントラもすごく好きです。映画音楽は、感動的なメロディの曲がたくさんあるんですよ。いつか映画音楽のアルバムも作れたらいいなあと思ってます。

――ソプラノサックスを吹いて歌も歌った「Anemone」も、とても胸に沁みるメロディです。

ユッコ:ありがとうございます。歌はやはりサックスとはまた別の感情表現です。私のサックスはわりとパワフルなキャラクターだと思うんですけど、歌はまったくパワフルではなくて。風みたいにしか歌えないんですよね。どこかに飛んでいっちゃいそうな(笑)。私のそういう歌のイメージに合うのが「Anemone」だと思います。

――歌うのは好きですか?

ユッコ:好きです。歌詞があるので、インストとはまた別の表現ができるのが楽しいです。

――カラオケで歌ったりはするんですか?

ユッコ:たまに行きます。結構古い曲を歌います。昭和歌謡も好きですね。昨日、中西りえちゃんのライブに行ったんですけど、終わったあとにりえちゃんのファンがやっているお店に行って、カラオケで歌ったのは「まちぶせ」(石川ひとみ)でした。

――昭和歌謡は、親御さんの影響ですか?

ユッコ:そうだと思います。好きで聴いてきた音楽は、古いものが多いかもしれないです。みんなが好きな音楽を同じように好きっていうのが、あんまり好きじゃなかったんです。「私はジャズ聴くから」みたいな。「みんなは『Mステ』(『ミュージックステーション』/テレビ朝日系)を観るかもしれないけど、私はジャズ聴いてるから」という感じの人だったので(笑)。今は何でも好きですけど、高校の頃とかはこだわりがありました。

――とがってたんですね。

ユッコ:そうですね。友だちに「iPod見せて」って言われて見せたら、「全部ジャズ。おじさんみたいなiPodだね」って言われてた頃です(笑)。

――(笑)。そういう背景が、作る曲に表れているのかもしれないです。たとえば、「Snow Song」も、どこか懐かしさを感じる温かなメロディですし。

ユッコ:これもソプラノサックスに合うメロディです。

――雪が好きなんですよね?

ユッコ:はい。冬が好きで、雪が降ってる情景も好きです。生まれたときに雪が降ってたので、私の名前は“由希子”になったらしいです。

――ユッコさんの地元の伊勢の冬は、どんな感じなんですか?

ユッコ:暖かいので、あんまり雪は降らないんです。時々、奇跡的に雪が降る感じで。だから雪が降ると嬉しくなっちゃうんですよ。そういう好きな景色を見たりすると、曲が浮かんだりします。

YUCCO MILLER 10th Anniversary Live “Bloomin'”

――ソプラノサックス、ライブで良い音がしていましたね。その人ならではの魅力的な音色があるのが、プロのすごさだとあらためて思いました。

ユッコ:ありがとうございます。サックスはセッティングでも変わりますけど、人それぞれの骨格でまったく変わるのが面白いんです。

――ゲストの小林香織さんとの「Make Up」と「Hair Style」は、各々の音色の個性がすごく伝わってきます。

ユッコ:全然違ったキャラクターの音ですよね。ハモっているのを聴いて、自分でも面白かったです。

――小林さんのオリジナル曲「Make Up」は、おふたりの掛け合いやソリがものすごくかっこよかったです。

ユッコ:香織さんならではの音の感覚がある曲だと思います。フレーズの歌い方、アーティキュレーションのつけ方が私とは違っていて、ものすごく勉強になりました。そして何と言っても一緒に吹くのが楽しかったです。ハモりも気持ちよかったですね。香織さんには、すごく優しくしていただいています。この前も香織さん、りえちゃん、私で焼き肉を食べに行きました。

――ユッコさんは先輩たちにもすごくかわいがられていますよね。村上“ポンタ”秀一 さんとツアーをまわったこともありましたし。

ユッコ:ポンタさん、楽しかったですねえ。とてもかわいがってくださって。ポンタさんはぶっ飛んでるんですよ。刑務所のなかの話とかもしてくださったり。「私も刑務所行ってみたい!」って言ったら、「お前、バカだなあ」って(笑)。ポンタさんのような型破りな人への憧れはすごくあります。

――ユッコさんもかなり型破りですよ。コスプレをしてYouTubeでサックスを吹くとか、そういう感じのことをする人はあまりいなかったんですから。

ユッコ:カバーする曲に合った服を着てやるのが楽しいんです。そういうのも「やりたい」と思ったのをずっとやってきました。

――独自のスタイルをどんどん確立していますよね。歌も歌うサックス奏者ですし。10周年ライブのときの「Hair Style」は、とても贅沢でした。小林香織さんにサックスを吹いていただいて、歌に専念したんですから。

ユッコ:贅沢な演奏で歌うことができて最高でした。でも、サックスを持たないでステージに立つのは、わりと恥ずかしかったです。なんかちょっと落ち着かない感じがあって。

――歌う曲は、今後もどんどんやっていくんですか?

ユッコ:やっていきたいです。でも、「サックスで歌うように吹く」っていうのとくらべると、「声で歌う」という私の歌心はまだ全然だめだって思います。サックスのようには歌うことができないので。練習あるのみですね。

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