AI創作において“自分らしさ”はどこに宿る? クリエイターとともに考える、「PixAI」の音楽分野における可能性

音楽を聴いたとき、頭の中に浮かぶ色や風景がある。そのイメージを、自分の手で作品にできたらーー。AI創作プラットフォーム「PixAI」(公式サイト)は、そんな想像をビジュアルへと変える手段の一つだ。2026年9月には、イラスト・マンガ制作・動画生成をひとつで完結できるアニメ調オールインワンモデル「Tsubaki.3」をリリース。何枚生成してもキャラクターが崩れない一貫性を備え、本記事で触れるMVやキャラクター展開にもつながる機能を持っている。ライブ演出からMV、キャラクターを軸にした物語まで、音楽と組み合わせることで何が生まれるのか。音楽イベント『PixAI Music Jam』に参加した3人のクリエイターの言葉から、その可能性を探る。
音楽の「何を描くか」ーー歌詞の向こうにある感情を形に
PixAIは、アニメ・マンガなどの二次元イラストを中心としたAI創作プラットフォームだ。テキストによる指示「プロンプト」から画像を生成し、モデルや、キャラクター・画風などの特徴を反映させる追加学習データ「LoRA」を活用して、表現を調整できる。2026年に4周年を迎え、公式サイトでは記念MVも紹介されている。
音楽との組み合わせを考えたとき、入り口となるのは、聴き手の中に生まれるイメージだ。曲から感じた色、情景、登場人物の表情。それらを言葉にして、画像として確かめていく。ここでは、人が音楽をどう受け取り、何を表現しようとするかが制作の出発点になる。
その過程をライブの場に持ち込んだのが、YouTubeで配信された『PixAI Music Jam』だった。歌い手が楽曲のイメージをクリエイターに伝え、制作されたビジュアルをパフォーマンスの背景に使用する。音楽と画像制作が同じ場で進む試みに、参加者たちはそれぞれ発見を得たという。同プロジェクトには歌い手として結城アイラやyozuca*、AIYUE blessed : 理名(a.k.a トゲナシトゲアリ Vo.)、榊原ゆい、片霧烈火らが参加した。各アーティストが自身の楽曲とPixAI楽曲を1曲ずつ歌うなか、歌唱背景のビジュアルをPixAI クリエイターが担当している。
この日のライブにも参加した(mai)が気づいたのは、音楽を必ずしもそのまま「絵に描く」必要はないということだった。
「音楽をリアルタイムで流しながら制作していると、その曲が与えてくれるムードやエネルギー、色、雰囲気の方に意識が向くようになり、その感覚をイメージに変換しようとしていました」
できあがった画像が、聴いていた音楽を直接説明するものではなくても、両者のつながりは感じられる。その経験から、(mai)はイメージの持つ感情的な側面に、より注意を向けるようになったという。




同じくこのライブでステージアートなどを手掛けたLiXXXもまた、制作の手応えを「抽象的なコンセプトではなく曲の感情に寄り添うこと」に見いだした。それによって、ビジュアルが生き生きと、曲に合ったものに感じられたと振り返る。
歌詞に登場するものを描くだけが、音楽の可視化ではない。切なさを光の弱さに、解放感を空の広さに置き換えるように、音から受け取った感覚を視覚の言葉へ翻訳する。そこには、クリエイターそれぞれの解釈が入り込む余地がある。
歌い手に「翼」が生えた瞬間 背景が演出に変わる
音楽とビジュアルが重なったとき、画像単体では生まれなかった意味が立ち上がることもある。
ライブで披露された全曲目に関わったTofuが印象的な場面として挙げたのは、背景のビジュアルによって、歌い手に翼が生えているように見えた瞬間だ。
「そのつながりがとても繊細なときもあれば、歌い手に翼が生えているように見えた瞬間のように、ビジュアルが本当にパフォーマンスの一部になった瞬間もありました」
この「翼」は偶然の産物だったという。しかしTofuにとっては、アーティストの位置や動きをビジュアルと意図的に連動させる演出を想像するきっかけになった。
例えば、歌い手が立つ場所を踏まえて構図を考える。腕を広げる動きに合わせて、背景にも広がりを持たせる。こうした設計を加えれば、画像はステージを飾る背景から、身体表現と関わる演出へと発展するだろう。

(mai)も、自分のイラストがライブに使われたことで、作品の見方が変わったと話す。画面やギャラリーの中の一枚だった画像が、パフォーマンスの空気の一部となり、音楽やステージと相互作用していた。
LiXXXにとっても、自作のアートがPixAIのフィードを飛び出し、大きなスクリーンで音楽と重なる体験は特別だった。ライブ配信中には、アートが音楽と一緒に動いているように見えたという。

同じイラストでも、歌声や身体、時間の流れと組み合わされることで、受け手の印象は変わる。3人の言葉から見えてくるのは、AIによる画像制作が、ライブ全体を考える創作にもつながるという可能性だ。
「1曲=1枚」から「1曲=1作品」へ
この発想を時間軸に沿って広げると、ミュージックビデオ(MV)の制作も視野に入ってくる。
たとえば、Aメロでは夜の街にひとりで立つキャラクターを描き、サビでは空が開ける場面に切り替える。2番では表情や距離感を変え、エンディングで冒頭の風景に戻る。楽曲の展開に合わせてビジュアルを用意すれば、1曲を通して物語を見せることができる。
生成したイラストをアニメーション化し、映像編集と組み合わせることで、動きや場面転換を加える道もある。「1曲=1枚」のイメージ画像から、複数の場面で構成する「1曲=1作品」へ。音楽の世界観を届ける方法は広がっていく。
(mai)もMusic Jamを通じて、一連の画像が曲のリズムや空気の一部になるような作品への関心が生まれたと話している。
ライブで得た実感を次の制作へつなぐ。場面ごとの画像を作れても、それらをどの順番で、どの長さで見せるかによって、作品の印象は変わる。キャラクターや色調の統一も含め、全体を組み立てる作り手の判断が欠かせない。その意味では、今後重要になってくるのは“編集”的な視点である可能性がある。
絵を描く技術に不安があり、映像制作に踏み出せなかったミュージシャンにとって、PixAIは自分のイメージを試す入り口になりうる。まず一場面を形にできれば、次に必要な場面や、曲に合う見せ方も考えやすくなるはずだ。
キャラクターに音楽で人格を与える
複数の作品をつなぐ存在として、オリジナルキャラクターを置く方法も考えられる。
ひとりのキャラクターを複数のMVに登場させ、曲ごとに異なる感情や出来事を描く。ある曲では強気だった人物の弱さを、別の曲で見せる。歌詞や歌声、ビジュアルを重ねることで、その人物の性格や背景を少しずつ伝えていくことができるだろう。
キャラクターソングを制作したり、楽曲を連作の物語として展開したりすれば、音楽とビジュアルが互いの理解を深める関係も生まれる。継続的な作品発表を通じて、独自のキャラクターや世界観をIPとして育てる構想にもつながる。
「物語を形にしたい」という動機は、Tofuの創作にもある。
昔から物語を書くことや想像することが好きだったTofuは、自作の物語をイラスト化するためにPixAIを使い始めた。現在は、そのひとつをコミックや映像にしたいと考えているという。
物語を持つ人が画像を作り、音楽を作る人がキャラクターを考える。これまで頭の中にあった構想を確かめられることが、表現する領域を広げるきっかけになる。
AIに任せる生成と、人が表現し続ける「自分らしさ」
では、AIを使った作品の個性はどこから生まれるのか。3人の回答に共通するのは、生成の前後にある、細かな判断と試行錯誤だった。
(mai)は、頭の中のイメージをショットやカメラアングル、キャラクター、ポーズ、照明、環境などに分解する。プロンプトも単なるキーワードの列ではなく、実際のシーンを描写するように書くことが多い。
「最初の結果をそのまま受け入れることはあまりありません。プロンプトを調整し、いろいろなバリエーションを試して、頭の中にあったイメージに近づいてくるまで続けます」



一方のTofuは、明確な構想を追うだけでなく、予想外の結果に導かれる余地も残している。モデルとLoRAの組み合わせ、珍しい質感や構図を自分で試すことが、アーティストとしての「署名」の一部だという。
LiXXXは、制作前にテーマに合う参考資料を探し、作品全体を思い描く。自作のLoRAも使いながら、最後は自分で選択する。
「作品の『魂』は、自分のリファレンス、プロンプトの構造、自作のLoRA、そして最後に自分が下す選択から生まれます」
生成の速さも、こうした探求を支える。(mai)にとって大きいのは、単に制作時間が短くなったこと以上に、以前なら頭の中にとどめていたアイデアまで試せるようになったことだ。
音楽、キャラクター、ビジュアル、物語を横断する「総合クリエイター」への入り口は、こうして広がりつつある。それは、すべての工程が自動で完成するという意味ではない。自分が何を感じ、どう見せたいのかを考え、生成されたものを選び、作品として結び直す。その判断を重ねることが表現になる。
音楽を聴いて浮かんだ、まだ誰にも見せていない風景。PixAIは、それを他者と共有できる形にする手段となる。Music Jamで歌い手に現れた「翼」は、音楽とビジュアルが出会うことで、作り手の想像を超える表現が生まれることを示していた。
▼PixAI公式サイト
PixAI公式サイト
『PixAI Music Jam』制作画像一覧
■ 参加クリエイター
(mai):https://pixai.art/ja/@bbiimaii/artworks
Tofu:https://pixai.art/ja/@grilledtofu/artworks
LiXXX:https://pixai.art/ja/@lixxx/artworks
■PixAI 4周年キャンペーン
期間:2026年9月17日(木)〜10月20日(火)
・アニメ調オールインワンAI創作モデル「Tsubaki.3」リリース
Tsubaki.3 特設ページ:https://pixai.art/ja/tsubaki-3
・「Tsubaki.3」無料使用カードをログインでゲット
・プレミアム会員プランで「Tsubaki.3」無限使用モードを4周年イベント期間限定販売
・年間プラン50%OFF ほか
▼4周年イベントページ
https://pixai.art/ja/event/4th-anniversary
【音楽番組『PixAI Music Jam』】
出演:AIYUE blessed : 理名/榊原ゆい/片霧烈火/結城アイラ/yozuca*
MC:青木佑磨
YouTubeにて期間限定公開中
https://www.youtube.com/watch?v=MmU8Pp_ZLvA
【4周年記念MV『UnLocking World』】
歌:AIYUE blessed : 理名(「トゲナシトゲアリ」ボーカル)
https://www.youtube.com/watch?v=QTJeczW-SSA
【PixAIについて】
2022年10月のサービス開始以来、世界160以上の国と地域、1,600万人以上のクリエイターに利用されているAI二次元創作プラットフォーム。
公式サイト
■関連リンク
PixAI公式サイト:https://pixai.art/ja
対話型創作エージェント「Mio.2」:https://agent.pixai.art/
Tsubaki.3特設ページ:https://pixai.art/ja/tsubaki-3
PixAI公式ブログ(Tsubaki.3の使い方を大公開など):https://blog.pixai.art/ja/
公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@PixAIJP
































