10-FEET、一か八かの局面に滲むバンドマンとしての生き様 『アオアシ』OPテーマで目指した“モダンかつビンテージ”な音像

10-FEET『アオアシ』OPテーマでの新境地

歌詞との向き合い方の変化、〈Keep Sharp 思考 沈着遂行〉の精神

――今の話にあったグルーヴィなサビも含めて、KOUICHIさんは「Fortress Defense」のサウンド感に対してはどう感じていらっしゃいますか。

KOUICHI:僕らの武器ではありつつ、ラップ調をやるのは久しぶりで、しかもそこからダンサブルなサビに行くっていうのは、あまりみんな想像つかない展開なのかなと。10-FEET好きな人がどういう反応をするのか、早く聴いてもらいたいです。ライブでもいろいろアレンジできそうやし、これからどういう風に表現していくのかっていうのも楽しみです。

――ドラミングに関してはどんなところがポイントになりましたか。

KOUICHI:サビの4つ打ちをしっかり出しつつ、そこに持っていくための流れを作っていく感じで。サビのBPM自体はそこまで速いわけじゃないですけど、4つ打ちってそもそも難しくて、自分でも「こういう4つ打ちをやりたい」っていうのは今も模索中なんです。「第ゼロ感」とかもそうでしたけど、いろんな種類がある中で、この曲に合った4つ打ちをしっかり鳴らせるようにライブでも頑張りたいなって思います。

10-FEET 撮り下ろし
KOUICHI

――NAOKIさんはどのようにベースラインを構成されましたか。

NAOKI:Aメロでは基本コードを刻みつつ、Bメロで少しメロディアスになるので、ベースもちょっとメロディっぽく弾いてます。サビでは4つ打ちのビートに合わせてしっかり支えるイメージですかね。パートごとで世界観も違うので、その都度似合う空気感を表現できたらっていいなと思ってました。

――楽曲の全体像についてはいかがですか。

NAOKI:今までもグルーヴィな曲はいろいろあったんですけど、今回は種類もやや違うなって思ったので。その特有のグルーヴを、ノリが出るように演奏していくっていうのが、今後ライブでやっていく上でも重要なポイントだと思ってます。ライブになると、ダンサブルなディスコサウンドでもロック感が強まると思うんで、ライブハウスで鳴る音がどんな感じになるのか、僕自身も今から楽しみですね。

10-FEET 撮り下ろし
NAOKI

――では、歌詞についてもお聞きしたいのですが、TAKUMAさんとしてはどういうリリックを書いていこうと思っていましたか。

TAKUMA:まずはサッカーに合わせてっていう部分が大きかったです。“振り付けに合わせて音楽を作る”ではないけど、それくらいサッカーの動きとか、キャラクターにハマるように書いていったと思いますね。(『アオアシ』は)原作の漫画から読んでいて好きだったんで、それだけでも頭にふわーっと言葉が揺らめいてたんで。

――個人的にすごくいいなと思ったのが、逆転劇の瞬間の歌みたいに聴こえたからで。というのも、〈絡んでFoot出してカット〉とか〈睨んでシレッとかっぱらうSteal〉って、もちろんサッカーのプレーの1シーンではあるんですけど、人生のあらゆる局面に置き換えても、虎視眈々と考えて考えて、狙って狙って、形勢逆転できるって思ったチャンスの一瞬に、いかにポテンシャルを発揮できる状態であれるのか、そういう自分を保つために日々どれだけ頑張るか……みたいな歌詞にも思えたからで。サッカーの試合の熱量を描きつつ、すごく普遍的なものになっている気がしたのですが、そこについてはいかがですか。

TAKUMA:今言ってもらったような意識を持つのってすごくいいことやなと思うし、似たようなことは僕も考えてましたね。最近ずっと制作のことばかり考えてるから、歌詞書く時も「毎回こういうところで躓くんだよな」とか、「こういうところでこういう沼にハマっていくと、3日間くらい出られないんだよな」とか、いろんな経験を日々しまくっていて、その延長線上に今回の曲もあって。「ラップきたな……」みたいに構えてたんですけど、日々ずっと考えていたおかげで、心折れることなく、言葉選びする自分をうまくコントロールしながら書けたと思います。

 ラップの歌詞を書くってなると、韻踏んだりするから「2文字のリズムがうまくポンポンと3つハマった。じゃあ4つ目も気持ちよくハメてみたい!」みたいにどんどんなっていって、気づいたら本来歌いたかったことを忘れてしまうようなことがあって。入れようと思ってたワードとは別の面白さに引っ張られてしまったりとか、そういうことが結構あるんですよ。でも、当初言おうとしてたメッセージや意味とは関係なくても、「ここで3文字の熟語がうまく入ったらヤバいな!」となった時、ラップってそっちを優先してもいいくらい、耳当たりやフロウ自体も大事やと思うんです。だからすぐ脱線してしまったり、耳当たりいいけど爽やかですぐ消えてしまうような言葉が並んでしまったりする。そういうことも多々ある中で、「そこを気をつけるぞ」っていう集中力を切らさず、なおかつ楽しんでやり切れたのではないかなって思います。全部ひっくるめて、わりと集中して書けた曲やと思いますね。

10-FEET 撮り下ろし

――なるほど。

TAKUMA:歌詞を書いてたら、「これだけは絶対やったらあかん」とか、あるいは「なんぼ考えても言葉が出てこないかもしれへんけど、あと1週間かかろうが1カ月かかろうが、ここは絶対にこだわらなあかん!」みたいなところが出てくるから、最近はなるべく暇があったら歌詞のことを考えようと思ってて。それでも追いつかないくらい時間かかりますけど、そういう日々のことがちょっとだけ身を結んだかもしれないです。作り手として次の段階が見えたらええなとも思ってやってますけど、そういうやり方、メンタルと思考の向き合わせ方とかを踏まえて、よりいい作詞作曲に繋がるように訓練していきたい感じですね。

――まさに〈Keep Sharp 思考 沈着遂行〉に表れてますよね。今の話にも重なる、すごくTAKUMAさんらしい歌詞だと思いました。

TAKUMA:ありがとう。

――悩んで悩んで、日々を積み重ねていって初めて“スッとハマる”ことが起きるのかなとも思いましたし、アニメの主人公 アシト(青井葦人)の思考にも重なってる感じがしました。

TAKUMA:そうですね。ただ、本来僕なんかは根がズボラで、努力が不得意なほうやと思うので。日々の鍛錬とか、「努力は裏切らない」っていうのを実行するのはむしろ苦手なタイプではあるんですけど、改めて、やったらやった分だけ日々のことが無駄になることはないなって感じてます…………まあ要は、かっこいい曲ができたらいいんですよ。そのために、あんまり制作しないでたまにやるくらいがええならそうするし。今はバリバリ取り組んで経験値積んでいくやり方をしてますけど、気が済むまでもうちょっとこの感じでやってみようかなって思ってますね。

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