ExWHYZは最後の瞬間まで未来を歌う 変化し続けてきた集大成、ラストアルバム『zION』に込めた“明日への願い”
5月から7月にかけて最後の全国ツアー『ExWHYZ LAST TOUR 'DANCE YOUR DANCE'』を回り、8月31日のラストライブ『ExWHYZ LAST LIVE '光'』に向けてラストスパートに入ったExWHYZ。そんな彼女たちから、新しいアルバムが届いた。『zION』と題された3rdフルアルバム。これがExWHYZにとってのラストアルバムなわけだが、今作が素晴らしいのは、これまでを振り返るのでも総括するのでもなく、ちゃんと“未来”を歌っているところだ。常に変化を重ねながら前へ前へと進み続けてきたこのグループには、こんな終わり方がふさわしい、と思う。解散はもちろんとても残念で寂しいが、グループでの活動を通して成長し続けてきた彼女たちは、きっとこの先も最高の人生を描いていってくれるはず。その最後の勇姿をしっかりと耳と目に刻みつけておきたい。yu-ki、maho、mayu、mikinaによる、ExWHYZのラストインタビューをお届けする。(小川智宏)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
ラストツアーで生まれた“熱” 「自分の中で何かが繋がって、生き返った」(mayu)
――まずはラストツアーお疲れさまでした。僕はファイナルを拝見したんですが、素晴らしいライブでした。皆さんはツアーを通してどんなことを感じましたか?
yu-ki:私は「やり切ったな」っていう感覚があります。1公演1公演出し切るぞっていう気持ちで挑んだツアーで、その公演がExWHYZに会える最後っていう人もいた中で、その日届けられるすべてを伝えられたらいいなと思って走ったので、終わったあとに自分でそう思えているのがすごく嬉しいなって素直に思いました。最後だからといってあまり力を入れすぎずに、「まだまだもっとよくしたい」っていう気持ちも持ってできたのでよかったです。
maho:楽しかったです。私が特に、解散する実感がなさすぎるっていうのもあると思うんですけど、寂しさみたいなものをあまり感じないくらい楽しいというか、その瞬間を楽しむことができたツアーでした。それはたぶん、今まで曲を作っていただいて、いろんな時期を越えて、いろんなライブをやって、その時その時で来てくれてた人たちと繋いできた空間がそうさせてくれた結果だと思うんです。もちろん今回のツアーで初めて来てくれた人もいたと思うんですけど、そういう人も解散とかラストとか関係なしに楽しんでもらえることが本望だから、そういう空間になったっていうのがすごくありがたいなって思いました。
――mayuさんはどうですか?
mayu:個人的な話ですけど、活動休止してから復帰して、この2年ぐらいは結構、体調的に大変で……。精神的にも肉体的にも難しい感じでやってはいたんです。このツアーも「頑張らなきゃ」って思いつつも、うまく自分が乗りこなせない時もあったりして、「みんなに追いつけていないんじゃないか」とか考えたりもしたんですけど、その時の自分なりに一生懸命、全力でやれることをやるぞっていうことだけ決めて。100点を目指すんじゃなくて、その日のやれることをしっかりやるぞっていう気持ちだけを持って回ったツアーだったんです。でも、仙台公演の個人MCでyu-kiが話をしてくれた時に……あの日で私、変わったんだよ!
maho:変わったんだ。
mayu:急に自分の中に“熱”が生まれた。ツアーを回っていく中で、ファンの皆さんからもらう言葉も、ライブチームの皆さんやメンバーと顔を合わせてやる時の言葉もそうだけど、自分の中で何かが繋がって、生き返ったんです。不思議なんですけど、あのyu-kiの言葉が自分の“最後のパーツ”だったんだなって。それで落ち着きました、急に。焦らなくなった。ヤバい、マズい、どうしたらいいんだ、こんなんじゃダメだ……とずっと思ってたんですけど、自分で“感じないようにしていた部分”もすべてフラットになった感じ。「先を見すぎて目の前のことが見えなくなっちゃうのはやめよう」っていうのもあったかもしれないです。心を取り戻して、落ち着きも取り戻して、自分がもともと持ってた熱をギュッと掴めた気がしました。だからすごく楽しかったし、人に支えられたありがたいツアーだったなと思います。
――そのきっかけがyu-kiさんの言葉だったんですね。
mayu:はい、最後のピースでした。
yu-ki:その時に思っている気持ちを話しただけなんですけどね。何を言ったかは覚えてるけど、どれが刺さったのかはわからない(笑)。
maho:思い出すと、確かにめっちゃいいMCだったんですよ。ライブ終わりに「マジ最高!」って私が言ったら、それを追い抜くスピードでmayuちゃんが言ってきて。「じゃあ私はもういいか」って(笑)。
mayu:(笑)。だって、ホテルで思い出して泣いたもん。打ち上げが終わって帰って、自分を振り返って、頑張ろうみたいに思えた。
mikina:めっちゃ食らってる……。
――mikinaさんはどうでしたか?
mikina:ツアーはすごく楽しくて、充実感がすごくありました。もちろん寂しさもあるんです。やっぱり1公演1公演、ここ来るの最後だなって確実になるので。ライブ中に、ステージのバックドロップ見ただけで泣きそうになるっていう(笑)。でも、自分の中には不思議とすごく余裕があって、力が抜けてるからか、新しく見えた景色がたくさんありました。フロアのマスター(ファンの呼称)を見て、「何年もやってきたのに、みんなのこんなに優しい顔見たことないな」って思う瞬間もあって。もしかしたら今までもあったのかもしれないけど、これだけ自分が力を抜いてできてるから見れたものなのかなって思うと、終わってしまうのがちょっともったいない気もするし。でもラストツアーでそう感じられたことはよかったなとも思います。結果的にすごくみちみちな、いいツアーだったなって。
――ファイナルもマスターの作る空気がすごくよかったですよね。みんないろいろな思いを抱えて来ていたと思うけど、それを全部ポジティブなエネルギーに転換していく感じというか。パワーと同時に、愛と優しさに溢れていたなあと思いました。mayuさんがファイナルで「最初は寂しさを感じていなかったけど、だんだん感じるようになった」という話をしていましたけど、長いツアーの中で気持ちはどんなふうに変わっていきましたか?
maho:私はそんなになくて。「ないんだ」っていうことを知りました。あったものが本当になくなった時にしか、実感はたぶんできないだろうなっていう気づきがあっただけです。
yu-ki:私はだんだん実感が湧いてきて、ツアーの終盤は楽しいほど切なくなりました。みんなで一緒に歌ったりとか、大口開けて笑ってる顔とかを見るたびに、あと数えるぐらいしかこの顔が見られないんだなって想像する瞬間が増えてきて、苦しくなりましたね。
――mayuさんは?
mayu:本当にすごく楽しかったし、幸せだな、ありがたいなってすごく思わせてもらったツアーだったので、そういう場所があることとか、その機会が少なくなっていってるっていうのが、名残惜しいなって。だから大事にしようって思いました。
mikina:私は……難しいんですけど、“こういう幸せの形もあるな”っていう方向に、自分の感情を慣らしていった感じです。最初はもっと怒ったりもしたし、悲しんだりもしたけど、それがだんだん整ってきた感じがあって。無理やりそうなったのかどうかは、終えてみないとわからない感じです。でも今はすごく納得いった状態になってます。
――今回のツアーを観て、ExWHYZはやっぱり動き続けていくというか、未完成のまま走り続けて、変わり続けて、そしてそのまま終わっていくんだなと思いました。それが皆さんらしいなと思ったんですよね。今回もベストアルバムではなく、ちゃんとオリジナルアルバムを作り切ったわけですけど、そういうことだなと。しかも『zION』、文句なしに最高傑作と言える、めちゃくちゃいいアルバムになったじゃないですか。
mikina:はい。ギリギリまで自分たちの“今”をパッケージできたアルバムだと思います。ちゃんとライブとともに記憶に残せるものになるので、いつの日かまたこの曲たちに出会ってもらった時に、私たちのことが思い出されるようになったらいいなと思います。
mayu:いいアルバムができたっていうのは本当にそうなんですけど、私たちの最後のアルバムがこのアルバムだっていうのはよかったなと思う。曲も、歌詞もそうですけど、「すごくいい旅だったんだな」って感じがします。
maho:集大成って形になると思うんですけど、「まだ途中」みたいな感覚のまま、でも今の最大限を出し切ってゴールするみたいな感じですね。
yu-ki:今の風景を思い出せる1枚になったなって。作詞した曲も、曲によって温度感が全然違っていて、だからこの先聴き直した時にも「ああ、こんな気持ちだったな」って鮮明に思い出せる曲が集まったなって思います。