くじら「この道を正解にできてよかった」 自分を見つめ直した半年間、新曲「25-26」で踏み出す新章の決意

実機シンセの音像へのこだわり、これから歩む新章の覚悟

――サウンド面ではどういうイメージを持っていましたか? すごくアッパーでダンサブルな曲になりましたけど。

くじら:今までとやってることはあまり変わらないんですけど、大きく変わったのは、「我がまま」のときに実機のシンセサイザーが欲しいと思って、よく一緒にベースを弾いてくれる櫻井陸来さんと西村奈央さんと一緒に見に行って買ったんです。1980年とかのやつなんですけど、音がものすごくよくて。それをふんだんに使っているので、1個1個の音がめっちゃ分厚くなってます。

――なんで実機を鳴らしたいと思ったんですか?

くじら:DAW上のシンセだと、自分が好きな星野源さんとかSTUTSさん、サカナクションさんの音とかに絶対近づけないんですよ。自分のシグネチャーの音はシンセサイザーのメロディだし、コードの音だし、それが一番興奮するんです。それで「実機欲しいんですけど」って一緒に探してもらって、無事買えました。一番最初の音はそれを自分で弾いてやってるんですけど、最高だなと思います。自分がやりたい音像はずっとそこにあったのかなって。このシンセがあるだけで、めっちゃ安心するんですよね。DAWで作って上手くいかなくても、最終的にひとつ秘密兵器があるみたいな感じがする。これでなんとかなるみたいな感じがするので。

――じゃあ文字通りのウェポンというか、武装というか、そういう感じなんですね。DAWで作られた実体がない音も響く瞬間っていうのはあると思いますし、その方がいいときもきっとあると思うんですけど、今、くじらさんが求めたのはそういう実体のある音だった。

くじら:そうですね。「春を告げる」とか「ねむるまち」とか「アルカホリック・ランデヴー」って、機材自体はめっちゃしょぼいんです。それで数字を取れるという実績はできたので、じゃあその先に行くにはどうしたらいいのか、という思いもあって。ずっと憧れてたのもあったんですけど、今回、そうやって実機を使うタイミングと、自分の人生の中で大事な曲ができるタイミングが合致して、すごくよかったです。

――なるほど。この曲は「アルカホリック・ランデヴー」の引用もあるし、原点に回帰したみたいな印象もあると思うんですけど、こうしてお話を伺っていくと、全然そういうことではないんだなと思います。むしろ「強くてニューゲーム」的なところに足を踏み入れてるんだろうなと。

くじら:そうですね。なんだか、昔の自分と肩を組んでいる感じがするというか。お前の言ってることもわかるし、それをもう少しいろんなことを見られるようになって言うとこうなるよ、っていう感じです。あと、昔は自分のことを「才能ない」とか言ってたりしたんですけど、やっぱり「歌える」って尋常じゃない才能だとも思ったので、才能に対する解像度もすごく上がりました。歌が歌えるってやべえことなんだなって。仲のいい水槽やみきまりあ、asmiちゃんとか、本当に歌が尋常じゃなく上手い人たちに出会って、「歌が歌えるってとんでもないステージの上に立ってるんだな」って感じたんです。それも踏まえて、今回はめっちゃ声を重ねましたし、歌える喜びを存分に表現できていると思います。

――この「25-26」という曲がくじらの新たな第一歩だとして、その後に向けてはどうですか? 曲はどんどんできている?

くじら:今年いっぱいぶんくらいはもうできていて。ここからもっといろいろ、作れる曲や書きたい曲が出てくると思うので、より強い曲を作っていきたいと思っています。「ついに始まった!」っていう感じですね。必要なものは全部揃ってるので、ライブであったり、ここから先に進むためのチームであったり。根底の部分を突き詰めればさらに先に進めるとは思っているので、「頼むからいってくれ!」という感じです。

■リリース情報
くじら「25-26」
配信日:2026年7月22日(水)
作詞・作曲・編曲:くじら

「25-26」

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