CUTIE STREETはなぜ韓国でヒットした? アソビシステム 中川悠介×Weverse ムン・ジス、日韓アイドル/ファン文化の違いを語る
HYBE主催の音楽フェスティバル『Weverse Con Festival 2026』が、6月6日〜7日の2日間に渡って韓国・ソウルのオリンピック公園(KSPO DOME、88芝生広場)で開催。7日には、Weverse Japanの代表取締役社長のムン・ジス氏、アソビシステム代表取締役の中川悠介氏が登壇するプレスカンファレンスがソウル市内にて行われた。
「Weverse」は、BTSやSEVENTEENなどが所属するHYBEが運営するグローバルファンダムライフ・プラットフォーム。香取慎吾、YOASOBI、Mrs. GREEN APPLEといった日本のアーティストも続々と参加しており、アソビシステムからはFRUITS ZIPPERやCUTIE STREETらが「KAWAII LAB.」としてコミュニティを開設している。
ムン氏曰く、Weverseは245の国と地域で利用されており、190カ国にグッズ配送などを行う物流網を完備しているという。「Weverseはアーティストとファンの親密なコミュニケーションをサポートすることに重点をおいている。時間的にも、空間的にも、全世界どこからでもアクセスできるようなサービスを提供。言語の壁をなくしているのも特徴で、アーティストもファンもどこにいてもそれぞれの言葉を受け取ることができる」と述べ、多様なサービスで世界中のファンダム形成をサポートしていると明かした。
中川氏は、ファンクラブ運営がアーティストビジネスの基盤にあり、海外にファンダムを作るためにWeverseを活用していると説明。「多言語対応、多岐に渡るメンバーシップ、リアルで商品を届けられる物流に魅力を感じた。本人も、マネジメントのスタッフも気軽に触ることができて使いやすい」とユーザー視点でWeverseの特性やUIの快適さを紹介した。
続けて「CUTIE STREETの韓国でのバズはWeverseとの取り組みでスタートできた」と述べ、韓国におけるプロモーションをWeverseにサポートしてもらっていることを説明。CUTIE STREETは2026年3月、初の韓国単独公演にあわせて、『M COUNTDOWN』(Mnet)にも出演し、大きな話題を集めた。「Weverseと組む前であれば、韓国に来る目的がライブのみで終わっていた。今回は、韓国でどのようなプロモーションができるのかを相談する中で、音楽番組への出演も決まった」「ライブ日程が決まってから、テレビ番組のブッキングまですべて一緒にやっていただいている」と、CUTIE STREETの韓国でのブレイクの裏側を明かした。
また、韓国独自のプロモーション方法に驚きを覚えたという中川氏。「国ごとの特徴的な手法があり、それを学ぶことができている。中でもキッチンカー(※韓国では撮影現場のスタッフやキャストへのおもてなしとして、コーヒートラックの差し入れを行う文化がある)をファンにプレゼントするようなカルチャーは日本にはない。正直、そんなことまでやらなくてもいいのではないかと思っていたが、今ではやってよかったなと思っている。現地のファンが何を求めているのかを教えてくれて、それをもとに次のステップへ行けるのは強い」と語った。ムン氏は「Weverseで取得しているファンたちの動きも提供している。レーベルが何をするのか判断する上で、定性的な資料が役に立っているのではないか」と補足した。
中川氏は韓国と日本のファン文化の違いについても言及。「日本の音楽番組は放送内容をすぐYouTubeにすぐに上げることはあまりない。韓国は音楽番組のYouTube動画を切り抜いて応援してくれていることに、韓国のファンの強さを感じました。何が一番違うかというと、日本は音楽の権利を守ることが主ですが、韓国は音楽の権利を使うことをすごくやられているのかなと思いました」と語った。
一方でムン氏は、日本のアイドル文化に対して「活動の現場において衣装やヘアスタイルだけでなく、些細な小物までも気にしている様子を見て、日本のアイドル文化から学ばなければいけないなと感じた。また、DMの発信も特徴的。特定のハッシュタグを指定して『今からこれを確認しにいくよ』と告知、そのDMを見たファンがそのハッシュタグを使うことでトレンド入りし、さらにライトファンにまで広がるという仕組みを作っている。そういった部分のディティールまで気を配ってらっしゃるんだなと」と、リスペクトを示した。
CUTIE STREETが韓国で受け入れられた理由は?
CUTIE STREETのバズを受けて中川氏は「僕らは日本発の“KAWAII”カルチャーを追求している。韓国語に歌詞を翻訳しているが、サビは日本語のまましているのは、日本のアイデンティティというか。“KAWAII”カルチャーを統一していきたいと考えている」と改めてクリエイティブの方針を伝えた。
続けて「韓国バージョンの反響が良かったので、曲のリリースとMVの制作を日本で最短期間で行った。特に韓国語バージョンのMVを作る際は『韓国でキテいるならK-POPっぽい方がいいんじゃないか』『いや、日本っぽいものがいいのではないか』みたいな議論を相当重ねた」「結果、曲は日本の“KAWAII”カルチャーから生まれてきたものなので、日本のカルチャーのままMVを作るべきだとなり、それが再び大きな反響をいただいた。自分たちで独自で作り上げたクリエイティビティを貫いていった方がいいなと思っている」と説明。国に合わせてすべてローカライズするのではなく、日本と他国の文化を組み合わせたことが、今回のCUTIE STREETのヒットに繋がっているようだ。
韓国メディアから「アーティストの髪型や私服を自由にしているのはなぜか」と問われると、中川氏は「髪型、ファッション、私服とかは全て自由にしている。自分たちのアイデンティティ、自分たちが考えていることを、自分たちが発信する力みたいなものを強くしていきたいなと考えている。楽しみながらこの仕事をやっていって、その発信がまたグループとして強くなる、みたいな掛け算をしていきたい」とアソビシステムの方針を示した。
また、同事務所が展開するアイドルプロジェクト「PEAK SPOT」について言及する一幕も。「PEAK SPOTは、2ndキャリア、3rdキャリアというように、これまで芸能活動を行なってきた方がメインのプロジェクトになっている。日本ではアイドルのファン層が変わってきていて、今は同性が増えているような動きがある中で、年齢に関係のないプロジェクトがあってもいいのではないかと思って立ち上げたもの。新人の育成開発とPEAK SPOTのようなプロジェクトの両軸で会社の規模を広げていきたいと考えている」と説明した。
そのほか「日本は音楽市場が世界2位なのに、なぜより小さい韓国市場を狙うのか」という質問に対して中川氏は「韓国市場は僕たちにとって大切な場所になっていると思っている。韓国の音楽番組に出したおかげで、インドなどからのストリーミングが伸びた。韓国から(他国に)広がる可能性も感じているので、大切な市場だと感じている」と説明した。
CUTIE STREETは、6月5日に『ミュージックバンク』(KBS)へ出演し、7月25日・26日には世宗大学・大洋ホールにて2度目の韓国公演『CUTIE STREET Live in Korea 2026 SUMMER』の開催も控えている。韓国でのバズを起爆剤に、さらなるグローバル進出を加速させていくのかもしれない。