櫻坂46「Lonesome rabbit」の衝撃 MVとテレビ初披露で示した実力、引きの画で映えるダンス表現の奥行き
櫻坂46が、15thシングル『Lonesome rabbit / What’s “KAZOKU”?』より「Lonesome rabbit」のMVを公開した。
「Lonesome rabbit」は、森田ひかるがセンターを務める楽曲。MVでは、メンバーが無表情のままランウェイを歩く場面と、笑顔で踊るパフォーマンスシーンの対比が印象的に映し出される。感情を見せずに前へ進む姿と、明るく振る舞う姿。その対比から見えてくるのは、群れることから距離を取りながらも、完全な孤独とは割り切れない心の揺れだ。「一人でも生きていける」と言い聞かせながら、どこかで誰かに求められたい。その矛盾が、「Lonesome rabbit」の物語を形作っているように思える。
鋭さと儚さの同居、センター 森田ひかるの新たな境地
MVの監督を務めたのは、「Unhappy birthday構文」も手がけたMasaki Watanabe(maxilla)。「Unhappy birthday構文」でも、光と影を駆使しながら目まぐるしく場面を切り替えていくモチーフの奥に、世間での居心地の悪さや感情のねじれを忍ばせる映像が印象的だった。「Lonesome rabbit」でも、ランウェイの硬質な表情と、笑顔で踊るパフォーマンスシーンを行き来させることで、楽曲に描かれる孤独や矛盾を視覚的に見せている。色彩の統一と余白のある画作りによって、メンバーの表情やダンスの細部がより際立っているのも今作の特徴だ。
中でも印象的なのが、森田の表情だ。森田はこれまでも、櫻坂46の楽曲において強い眼差しや鋭いパフォーマンスで中心に立ってきた。前へ進む意志を背負うような迫力で力強いパフォーマンスを見せてきた「Nobody’s fault」や「BAN」、「承認欲求」に比べて、「Lonesome rabbit」での森田は、感情を外に大きく出すというよりも、内側に抱え込んだまま視線や仕草で伝えているように見える。カメラを見つめる目、瞬間で揺れる表情。その細かなニュアンスが、楽曲に漂う孤独や不穏さをより強くしている。
MV全体を通して感じるのは、櫻坂46らしい鋭さと、これまでとは少し違う角度で描かれた儚さの同居だ。力強く踊るだけではなく、身体を小さく折りたたむような動きや、跳ねるような振り付けによって、タイトルのイメージもさりげなく反映されている。ただ、それはうさぎの可憐さをそのまま見せるためのものではなく、どこか追い詰められたような切迫感にも繋がっている。軽やかに跳ねているはずなのに、どこか苦しそうにも見えるのだ。そのアンバランスさが、「Lonesome rabbit」という楽曲の魅力になっているのだろう。