「Juice=Juiceってずっとすごい」 11人で辿り着いた限界のその先 ツアー最終公演、燃え上がる炎が照らす未来
Juice=Juiceが『Juice=Juice Concert 2026 UP TO 11 MORE! MORE!』を5月27日に神奈川・ぴあアリーナMMで開催した。
段原瑠々、井上玲音、工藤由愛、松永里愛、有澤一華、入江里咲、江端妃咲、石山咲良、遠藤彩加里、川嶋美楓、林仁愛の11人で臨んだ春ツアーのファイナル。今回の公演タイトルに掲げられた“UP TO 11”は、現体制の人数である“11”を示すとともに、音量や熱量のゲージを限界まで引き上げるようなニュアンスも感じさせる言葉だ。11人体制として歩み出したJuice=Juice。その現在地をぴあアリーナMMという大きな会場で提示する今回のライブは、単なるツアーファイナルではなく、「この11人でどこまで行けるのか」を見せる場でもあった。
開演前から会場にはJuice=Juiceコールが響き渡る。18時を迎えると、白い衣装をまとったメンバーが中央ステージに登場。オープニングを飾ったのは「BLOODY BULLET」だ。重厚なサウンドと鋭いビートが印象的なナンバーで、タイトル通り、冒頭から会場を撃ち抜くような迫力がある。この曲を1曲目に置いたことからも、“今のJuice=Juice”を強く打ち出す意志が伝わってきた。
曲を終えるとメンバーはメインステージへ移動し、「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」へ。スクリーンには白字でタイトルが映し出され、楽曲が持つ言葉の強さを視覚的にも印象づける。続く「CHOICE & CHANCE」では2階ステージに横一列で並び、井上のボイスパーカッションが炸裂。会場が一気に沸き上がる。歌唱力の高いグループとして知られるJuice=Juiceだが、この日の序盤では、歌をどう届けるか、ステージのどこからどう響かせるかまで緻密に構成されていた。
最初のMCでは、入江が「全員を楽しませるつもり」と力強く宣言。その言葉通り、ライブは一気に多彩な表情を見せていく。「GIRLS BE AMBITIOUS! 2026」は、メンバー紹介ソングとしての役割を持ちながら、現体制のフレッシュさと勢いをそのままステージに乗せる楽曲だ。11人それぞれのキャラクターが立ち上がり、会場の空気も一段と明るくなる。
そこから「好きって言ってよ」「四の五の言わず颯(さっ)と別れてあげた」「トウキョウ・ブラー」へ。Juice=Juiceの楽曲には、恋愛の熱、駆け引き、強がり、迷いといった感情が濃く流れている。ただ大人っぽいだけではなく、感情が整理される前の揺れを歌にできるところに、このグループの強さがある。メンバーは曲ごとに表情や歌声の温度を変え、切なさや強さを丁寧に表現していた。
「Never Never Surrender」では、アリーナの広さを活かしたパフォーマンスが印象的だった。広いステージを単に移動するのではなく、それぞれの立ち位置から歌とダンスで会場全体を引き寄せていく。大きな会場であっても、パフォーマンスが散らばらない。むしろ11人という多人数であるからこそ、ステージ全体に緊張感と厚みが生まれていた。
中盤には、メンバーの組み合わせを変えながら見せるブロックが用意された。「五月雨美女がさ乱れる」では段原と入江、石山と遠藤がそれぞれのペアで見せ場を作り、「Borderline」では井上と工藤に江端と川嶋が加わり、2階ステージを使って緊張感のある世界観を表現し、「ノクチルカ」では有澤と林、段原と松永が、妖艶さと力強さを併せ持つパフォーマンスで圧倒。少人数で見せることで、一人ひとりの歌声や表情がより際立つ。全員で押し出す迫力とは違う形で、それぞれの個性が見えるブロックだった。
再び全員での「禁断少女」を経て披露されたのは、「クラクラ☆クライマックス」。タイトル通り、気持ちが一気に跳ね上がっていくようなポップチューンでありながら、メロディの細かな動きや歌い継ぎにはJuice=Juiceらしい聴かせどころが詰まっている。全員で明るく弾ける楽曲がここに入ることで、妖艶な中盤ブロックから一転、会場の空気はカラフルに彩られていった。
後半の起点となったのは、石山のMCだった。「会場が限界突破すると上から花火が降ってくる」というトークから、「喉壊せますかー?」と客席を煽り、「Fiesta! Fiesta!」へ。スクリーンには火の輪のような映像が映し出され、ステージ上には炎が噴き上がる。ラテンの熱をまとったこの曲で、客席の声量は一段と増していった。続く「甘えんな」では、歪んだギターのイントロが鳴った瞬間に空気が変わる。強い言葉とバンドサウンドが、今のJuice=Juiceの攻めの姿勢を象徴していた。
「ナイモノラブ」を挟み、「プラトニック・プラネット」「プライド・ブライト」へ。歌で引っ張るだけでなく、中間のダンスパートではフォーメーションの美しさと身体表現の強さも見せる。続く「STAGE~アガッてみな~」では、井上のボイスパーカッションが再び炸裂し、会場の熱をさらに引き上げていく。本編ラストを飾ったのは「盛れ!ミ・アモーレ」。客席のコールと合唱、ステージ上に噴き上がる炎が一体となり、本編のクライマックスにふさわしい高揚感を生み出していた。
アンコールでは「Magic of Love」を披露。歴代のメンバーが大切に歌い継いできた楽曲が、11人の声で新たに響く。終盤のMCでは、メンバーそれぞれがツアーへの思いを語った。
なかでも印象的だったのは、林の言葉だ。加入発表から約1年を振り返りながら、「Juice=Juiceの11人目として活動できることが本当に嬉しいです」と話した。まだ夢見心地のような感覚があるとしながらも、メンバーが「11人で」と言ってくれることへの喜びをまっすぐに伝える。その姿には、このツアーが彼女にとって大きな節目であったことが表れていた。
井上は、今回のツアーを「あっという間」だったと振り返りつつ、そのなかで後輩たちの成長や段原の背中に刺激を受けたこと、自身のなかにもプレッシャーや悔しさがあったことを明かした。そのうえで、「これからも、もっともっと私たちは進化するし、それをぜひ応援したいって思ってもらえるようなグループであり続けます」と語る。そして段原は、Juice=Juiceに加入して最初に立った大きな会場で「今まで諦めなくてよかった」と話したことを振り返り、「今日この景色を見ても、『今まで諦めなくてよかったな』って心の底から思いました」と語った。リーダーとして11人を率いる今の段原がその言葉を口にすることで、段原だけでなく、Juice=Juiceというグループが積み重ねてきた時間そのものを照らしているようでもあった。
松永がMCで語った「Juice=Juiceってずっとすごいし、ハロー!プロジェクトってずっとかっこいい」という言葉も、この日のライブ全体を象徴していたように思う。Juice=Juiceの過去、現在、そしてこれからを証明するために、もっと頑張っていきたい。そんな思いが、ステージ上の11人から確かに伝わってきた。
ラストスパートは「未来へ、さあ走り出せ!」。タオルを掲げる客席とメンバーの笑顔が重なり、会場にはツアーファイナルらしい幸福感が広がっていく。林が思わず「終わってほしくないよ〜」と漏らした一言に、筆者を含め、多くの観客が同じ気持ちを重ねたはずだ。
その名残惜しさをそのまま熱へ変えるように、本日2度目となる「盛れ!ミ・アモーレ」へ。客席のコールと合唱はさらに大きくなり、ステージ上には炎が噴き上がる。そして、石山がMCで話していた通り、会場が“限界突破”すると、天井から花火が降り注ぐ演出も。客席のコールと合唱、ステージ上に噴き上がる炎、そして頭上の花火が重なり、会場の熱は最後の最後でさらに跳ね上がっていった。1度目は本編のクライマックスとしての「盛れ!ミ・アモーレ」だったが、2度目は11人とファンがこの夜を終わらせたくない思いをぶつけ合い、約束していた景色までたどり着いたような、祝祭的なラストナンバーとして響いていた。
最後はメンバーが客席に挨拶をして回り、整列して生声で「ありがとうございました!」と届ける。『UP TO 11 MORE! MORE!』というタイトルの通り、Juice=Juiceは11人で限界のさらに先へ踏み出してみせた。歌い継がれてきたもの、新しく加わったもの、そしてこれから広がっていくもの。そのすべてが同じステージ上で鳴っていた一夜だった。