モーニング娘。'26が直面する“大量卒業” 訪れた正念場、追い風を受けて作る新しい形
4月9日、モーニング娘。'26の牧野真莉愛がグループおよびハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)から卒業することを発表した。2日後の4月11日から始まる『モーニング娘。'26 コンサートツアー春 - Rays Of Light -』の開催直前での出来事だった。そして迎えた初日公演にて、卒業コンサートが6月24日の日本武道館だということが発表された。
モーニング娘。'26は、昨年、生田衣梨奈、羽賀朱音、横山玲奈、北川莉央の4人が卒業した。そして今年秋には小田さくらの卒業が控えている。2年間のうちに6人が卒業するのは、モーニング娘。の28年間の歴史のなかでもかなりのハイペースであり、10年以上のキャリアを誇るメンバーの相次ぐ卒業は初と言える。
5月現在、モーニング娘。'26の在籍メンバー数は9人だが、ここから牧野が卒業すると8人となる。これはハロプロ各グループと比較すると、OCHA NORMAと同数であり、最少人数グループのひとつとなる。
モーニング娘。は10人以上のメンバーで構成される時期が長く、ハロプロにおける大所帯グループというイメージが根強い。2011年1月に9期メンバーが4人、同年9月に10期メンバーが4人加入して13人に。以降、卒業/加入によるメンバー数の増減はあったものの、2025年12月に羽賀と横山のふたりが卒業して9人になるまで、10人を割ったことがなかったこの14年間。そのため、一桁メンバー数のモーニング娘。に驚きを感じるファンも少なからずいるだろう。
モーニング娘。の未来に吹く追い風
今後のモーニング娘。はどうなっていくのか、それを考える上でのいくつかのポイントがある。
まずは新加入メンバーについて。今年3月に、第18期メンバーとして杉原明紗が加入した。ハロプロ研修生からの昇格加入という形だ。興味深いのは、この杉原が「一人目の新メンバー」と表現されていたこと。ハロプロ公式サイトによると「『2026年加入の新メンバー』として、後日メンバーの発表を行ってまいります。発表時期につきましては、あらためてご案内いたします」(※1)とある。ここから読み取れるのは、18期メンバーは杉原ひとりではないということだ。
こういった変則的な加入は、過去にも二度あった。一度目は第6期メンバーのケースで、藤本美貴がソロ活動を経てから加入し、のちにオーディションによって亀井絵里、道重さゆみ、田中れいなの3人が加入。つまり、加入日は異なるが6期メンバーは4人とカウントされている。
二度目は第8期メンバーのケースで、オーディションによって光井愛佳が加入後、追って中国出身のジュンジュンとリンリンが“第8期(留学生)メンバー”として加入した。
それにならうと第18期メンバーも、“加入日は異なるが同じ期”というケースの第3の例となることが予測される。杉原のほかに何人が入ってくるのかはまだ未知数だが、9、10期メンバーの計8人の加入で一気に雰囲気が変わったあのときのように、また今回も新たな風が吹いてほしい、と願っているファンも少なくないのではないだろうか。
また、2025年11月に開催されたモーニング娘。'25のパシフィコ横浜公演を、つんく♂が11年ぶりに現地観覧したことがファンのあいだで話題になった。つんく♂はハワイに在住しており、これまでも映像等で随時チェックはしていたそうだが、現地まで赴いてコンサートを観覧するのは、2014年の道重さゆみ 卒業コンサート以来だったという。
この観覧の数日後に更新された本人のnote(※2)からは、なんらかのインスピレーションを多分に受け取った様子を読み取ることができる。今後のモーニング娘。の新曲に、このインスピレーションがフィードバックされることが期待できるだろう。
現在のモーニング娘。'26のリーダー・野中美希の存在も重要だ。今年1月、腰椎椎間板ヘルニアに罹患していることを公表(※3)。翌24日以降、現在までコンサートの欠席が続いており、療養中だ。4月4日に更新された本人のブログでは、「これは大切なメンバーと、そして大好きなモーニング娘。としてまたステージに立つための療養です。このままみなさんとお別れすることはありません」「コンサートの時間が、私にとって一番幸せな時間です。だからこそ、必ずまたステージに戻ります!」(※4)という言葉を綴った。
野中のコンサート活動復帰が、モーニング娘。'26の新フェイズにとってのブーストになるだろうことは想像に難くない。
モーニング娘。を後押しする“平成リバイバル”の波
さらに、“平成リバイバル”という社会のムードもモーニング娘。'26を後押ししている。CMにモーニング娘。の過去楽曲が使用されているケースが、今年に入って増えているのだ。
3月より放送されている花王「クリアクリーンNEXDENT」のCMでは、「ハッピーサマーウェディング」のアレンジバージョンが使用され、4月に公開された杉浦太陽、辻希美、希空が出演する「AEON Pay」CMでは、3人で「LOVEマシーン」を披露。花王「エッセンシャル」CMにおいても同楽曲が歌われている。また大塚製薬「オロナミンC」のCMにおいては「恋愛レボリューション21」が起用され、元メンバーの保田圭が出演するという遊び心も見られた。
そして、姉妹グループであるJuice=Juice出演の「盛れ!テリタマーレ」、元日向坂46 齊藤京子が松浦亜弥「Yeah! めっちゃホリディ」の替え歌を披露した「ひるまック『Yeah! めっちゃウィークディ』」に続き、新たなマクドナルドとのコラボCMとなる「マクドナルド ザ☆15ピ~ス!」が公開された。メンバー出演にて「ザ☆ピ~ス!」の替え歌を披露し、新メンバーの杉原が出演していることでも話題だ。
これらに共通するのは、2000年代前後の往年のヒット曲がこぞって起用されているという点。花王「クリアクリーンNEXDENT」のプレスリリース文に「子育て世代にも馴染み深いモーニング娘。の名曲『ハッピーサマーウェディング』をアレンジして使用」(※5)と書かれているのが象徴的だが、リリース当時に10~20代だった世代がファミリー層となり、生活に密着した商品CMへのニーズに適していると考えられているようだ。
昨年から続いている、Juice=Juice「盛れ!ミ・アモーレ」のヒット、そして今年2月のハロプロ楽曲のサブスク解禁、これらのトピックによりハロプロへの注目度がこれまで以上に増している感がある。この良き波にモーニング娘。'26も乗っていくことができるかどうか、それが今後の鍵なのかもしれない。
※1:https://helloproject.com/news/20231/
※2:https://note.tsunku.net/n/n996201bfac63
※3:https://helloproject.com/news/19977/
※4:https://ameblo.jp/mm-12ki/entry-12961924758.html
※5:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000177445.html