EXILE、B’z 松本孝弘と夢の共演が実現 GLAY、倖田來未、m-flo VERBAL……J-POPが誇る“コラボの名手”の帰還
EXILEは、時代ごとに“顔”を変えながらも、その都度グループの本質を更新し続けてきた。その歩みを振り返るとき、見逃せないのが外部アーティストとのコラボレーションにおいて発揮されてきた特異な創造力だ。単なる話題作りに終わらせず、音楽的必然を伴った化学反応へと昇華する力こそが、EXILEという存在の真価を形作ってきた。
その資質が現在形で結実したのが、配信リリースされた「24karats GOLD LEGACY feat. 松本孝弘」である。日本を代表するロックギタリストであり、B'zのサウンドを牽引してきた松本孝弘を迎えた本作は、グループの象徴とも言える「24karats」の系譜を継承しながら、ロックとダンスミュージックを高純度で融合させた一曲だ。
EXILEのコラボレーション史を紐解けば、彼らがいかにしてジャンルの境界を越え、シーンの更新に寄与してきたかが見えてくる。その象徴的な到達点のひとつが、2005年に発表されたGLAYとのコラボ曲「SCREAM」だ。ロックバンドとR&Bダンスグループという、一見すれば異なるフィールドに立つ両者の邂逅は、当時大きな衝撃を覚えた記憶がある。重厚なギターバンドサウンドの上にボーカルが響き、統制の取れたダンスがその熱量を増幅させる。その完成度は、ジャンルをも無効化するほどの説得力を持っていた。
さらに翌2006年、倖田來未との名義で発表された「WON'T BE LONG」は、バブルガム・ブラザーズの名曲を現代的に更新したカバーとして広く浸透した。互いのボーカルがぶつかり合いながらも調和し、ステージ上での躍動感がそのまま楽曲の生命力へと転化されていく。そのエネルギーは、ファンクやソウルといったルーツミュージックをポップフィールドへと引き寄せ、より多くのリスナーへと開いていく契機となった。
また、m-floのVERBALを迎えた「銀河鉄道999」や「SUPER SHINE」においても、EXILEはストリートの鋭敏な感覚とポップスとしての普遍性を高い次元で両立させている。ヒップホップやハウス、R&Bといったジャンルを自在に横断しながら、それらを決して断片的な引用に終わらせず、ひとつの楽曲として有機的に束ね上げる。その柔軟な統合力こそ、EXILEの音楽的基盤だとあらためて感じた。
コラボレーションの射程は音楽の領域にとどまらない。ナインティナインの岡村隆史との「オカザイル」に象徴されるように、異分野との接続においても彼らは独自の方法論を築いてきた。そこに通底しているのは、相手のフィールドに安易に踏み込むのではなく、敬意を前提に自らの表現がどう作用するかを見極める姿勢であり、その結果、双方の魅力が最大化される地点へと到達する。このスタンスこそが、EXILEのコラボレーションを単なる共演以上の価値へと押し上げている。
一方で、2010年代後半以降は、EXILE TRIBEとしての結束を強化してきた。GENERATIONSやTHE RAMPAGE、FANTASTICSといった後輩グループとの共演は、組織としてのスケールを拡張し、独自のエンターテインメント圏を構築するうえで大きな役割を果たしたと言えるだろう。
そうした状況のなかで登場した「24karats GOLD LEGACY feat. 松本孝弘」は、再び扉を外へと開く決定的な一手となったと思う。「24karats」シリーズが本来持っていたストリート文脈に松本のギターが加わることで、サウンドが一気にスタジアムスケールへと拡張されているのだ。冒頭から鳴り響くギターリフは、松本特有の粘りと存在感を帯び、楽曲全体の輪郭を決定づけるもので、これに対してEXILEのボーカルは力強く応答し、パフォーマーのステップもまたギターのグルーヴと緊密に連動する。
ロックのダイナミズムがEXILEの身体性と結びつくことで生まれる新たな推進力。それはかつてGLAYとの共演で提示されたダンスとギターの親和性をも呼び起こさせる、非常に丁寧な形で洗練されたものでもあるだろう。それは過去の焼き直しではなく、蓄積された経験を踏まえたうえでの再定義であり、輝かしい黄金の遺産(=「GOLD LEGACY」)を更新し続ける意志の表明でもある。
EXILEは簡単に形容できるダンス&ボーカルグループではない。多様な才能を結節させ、新たな価値として提示する存在であり続けた、稀有なグループだ。その役割は今作においても揺らぐことなく機能している。過去のコラボレーションが後年においてマイルストーンとして語られてきたように、この楽曲もまた、EXILE史の重要点として記憶されるのだと思う。“コラボの名手”としてのEXILEの帰還は、現在の日本の音楽シーンに新たな緊張と興奮をもたらしてくれたのだ。