Toyota Woven Cityで第一興商“DAM”が開発する近未来カラオケ 車内搭載や選曲レスなどの最新技術をレポ
業務用通信カラオケ「DAM」を展開する株式会社第一興商が、「Toyota Woven City」に新たなインベンターとして参画。4月20日から24日の5日間にわたり開催されたイベント『KAKEZAN 2026』にブースを出展した。
Toyota Woven Cityとは、ウーブン・バイ・トヨタ株式会社が静岡県裾野市にて開発を進めるモビリティのテストコースの街。第一興商はToyota Woven Cityの技術を活用しながら、うたと音楽の力が持つ可能性をさまざまな形で具現化する実証実験を開始する。
第一興商がこれからの取り組みとして行おうとしているのが、「選曲レスカラオケの実証」「モビリティカラオケ空間の実証」の大きく2つだ。
選曲レスカラオケとは、デンモクなどのカラオケリクエスト端末を置かないカラオケ空間を用意し、従来のカラオケ操作に依存しない新しい歌唱体験。Toyota Woven Cityに実際に住み、働く人あるいは訪問者「ウィーバー」を対象に、専用アプリからアンケートを募ることで、基盤となるプレイリストを自動生成するための知見を蓄積。Toyota Woven City内にオープン予定のカラオケ施設で、名前もしくはIDと紐づけることにより、“選曲しない”という柔軟な発想で直感的に歌唱を楽しめる新しいカラオケの実現が可能になるというものだ。
DAMでは顔写真から、性別・年齢・感情などを分析して、その人の今の感情に合った楽曲をレコメンドしてくれる機能「フェイサーチ」が導入されている。筆者も実際に試してみたところ、“世代”としては的確な選曲を提案してくれたほか、“遊び”としてMrs. GREEN APPLE、Vaundy、M!LKといった最新のアーティストも選曲候補に盛り込まれていた。これらが、カラオケに行くのは誰と行くのか、一人なのか、大勢なのか、ライブに行くのが好きなのか、それとも山登りが好きなのか、といった個々人のアンケートによって精度が上がっていく。一人カラオケを想定し、マイナーなカップリング曲やアルバム曲もプレイリストに選曲、もしくはグループでのカラオケを想定し、みんなで盛り上がれる流行りの曲を選曲してくれる、といったこともできそうだ。
もう一つの実証実験が、モビリティカラオケ空間。歌うことをより身近にするために、車内空間におけるカラオケの在り方を探るという取り組みで、例えばドライブ中、ドライバーの眠気覚ましに歌詞を合いの手のように先にアシストしてくれる自分だけのカラオケ空間を作り出したり、停車中の車内を新たなカラオケ空間にする、といったモビリティ実験だ。ゆくゆくは選曲レスカラオケとモビリティカラオケ空間があわさった形も実現できるかもしれない。
今回開かれたイベント『KAKEZAN 2026』の目的は、インベンターズが持つ様々な強みや専門性などを掛け合わせることで、産業を超えた連携により今までにない価値を創出することにある。筆者が取材した第一興商の担当者も、同じくToyota Woven Cityに参画するインベンターとの“掛け算”、つまりはコラボレーション、新しい取り組みに期待しているようだった。
今回の実証実験が目指す先にあるのは、「いつでも どこでも 誰とでも もっと自由に歌えるカラオケ」。カラオケの歌本のみならず、デンモクすらない、全く新しいカラオケ空間――そんな“未来の当たり前” がそこまできているのかもしれない。