向井地美音、AKB48への愛の終着点 軌跡を辿り、次代へと繋いだ集大成の卒業コンサート
AKB48が4月3日、東京・国立代々木競技場 第一体育館で『AKB48 春コンサート2026 向井地美音卒業コンサート ~私の夢は、AKB48~』を開催した。AKB48が3日間4公演をかけて行ったコンサートの初日を飾る同公演は、13年超にわたる向井地の足跡とグループへの愛着をあらためて確かめる、充実した集大成となった。
本人の子ども時代をイメージしたオープニング映像では、AKB48と出会った当時の思いを「憧れていた青春」と語った向井地。コンサート本編1曲目は、彼女のソロによる「青春と気づかないまま」で幕を開ける。続く「AKB参上!」からメンバー全員が合流、1曲目で制服姿だった向井地もライブ衣装に替わり、かつてAKB48に憧れていたひとりの少女が、AKB48の一員へと変わっていくさまが表現される。さらに「大声ダイヤモンド」「Everyday、カチューシャ」、そして向井地が初めてシングル表題曲の選抜メンバーとなった「希望的リフレイン」が立て続けに披露され、グループのクラシックともいえるシングルの連続でコンサート序盤を盛り上げる。
続くブロックでは、「ハートの脱出ゲーム」「アクシデント中」「Position」といった向井地の参加楽曲、劇場公演曲「天使のしっぽ」「残念少女」、ユニット曲「カフカとでんでんむChu!」と、向井地のキャリアをたどるような楽曲がパフォーマンスされていく。そして、向井地が同期の福岡聖菜と「僕の桜」を歌ったのち、ステージにはふたりと同じ15期生のOGである市川愛美、大和田南那、込山榛香、佐藤妃星、土保瑞希、湯本亜美、大川莉央、達家真姫宝、飯野雅、谷口めぐが登場、向井地・福岡とともに「君の瞳はプラネタリウム」を披露、15期生のオリジナル楽曲が再現された。
「振り向きざまのキッス」では、センターの伊藤百花、向井地とともに、村山彩希がゲストとして参加、同曲のユニットメンバーが顔を揃えた。また、「君はメロディー」では柏木由紀、そして向井地にAKB48グループ総監督を託した横山由依が現れ、向井地と3人で歌唱。グループで活動をともにしてきたかつてのメンバーたちが次々に向井地の門出を祝う。
コンサート中盤のVTRでは、AKB48加入からやがてグループの中心へ、そしてAKB48グループ総監督就任へと歩んでいく向井地の軌跡が振り返られる。彼女が総監督として歴代最長の任期を務めていた期間は、新型コロナウイルスの世界的な流行とも重なっていた。2020年当時、無観客によるネット配信で劇場公演を再開させた際の一曲目である「遠距離ポスター」が、この日のコンサートでは後半パートの一曲目として披露された。そして、ステージに姿を現したのは、当時この曲を向井地とふたりでパフォーマンスした岡田奈々。苦境を乗り越えるべく試行錯誤したあの頃の記憶を、再びのデュエットで頼もしく昇華してみせた。
続けて、メンバーたちとともに下口ひななも登場しての「僕の太陽」から「劇場へ ようこそ!」へと繋ぎ、岡部麟、込山、村山も参加した「流れ星に何を願えばいいのだろう」では向井地や岩立沙穂も含め、コロナ禍にグループを支え牽引した総監督と各チームのキャプテンズが一堂に会する。向井地のキャリアをたどりながら、日常を取り戻すために奮闘してきた当時のAKB48全体の歩みもあらためて確認する時間となった。さらにMC後には、「おしべとめしべと夜の蝶々」で茂木忍が登場して向井地とふたりでパフォーマンス。その後、村山・岡田とともに「涙の表面張力」「涙は後回し」を披露し、かつての“ゆうなぁもぎおん”の4人がステージ上に集った。
そして、「RIVER」では耳慣れた冒頭の掛け声とともに高橋みなみが、「だらしない愛し方」では峯岸みなみが駆けつけて向井地らメンバーとともに楽曲を披露、また「背中から抱きしめて」では小嶋陽菜も登場してパフォーマンス、背後のスクリーンには小嶋の卒業コンサートで向井地らと同曲をともにした際の映像も映し出され、過去と現在を重ね合わせる演出が施された。その後、高橋、小嶋、峯岸のノースリーブスが揃ったところで、「Answer」「タネ」「ペディキュアday」の披露では向井地が3人に加わり、夢だったというノースリーブス入りを叶えた。
コンサート終盤は最新シングル表題曲「名残り桜」から「言い訳Maybe」、「重力シンパシー」、「久しぶりのリップグロス」へと続く。そして、本編ラストに選ばれた楽曲は、「ヘビーローテーション」。オリジナルのセンターを務めた大島優子から同曲のセンターをかつて託された向井地は、ここで次のセンターに20期研究生の近藤沙樹を指名。ふたりで中心に立つスタイルでパフォーマンスし、次代への継承も織り込みながらコンサート本編を終える。
アンコールでは、ピンクチェックのドレスを身にまとった向井地が登場。加入前から大ファンだったAKB48への思いを語り、「私が私である理由を見つけられた大切な曲」として自身の卒業ソング「向かい風」をメンバーとともに歌唱した。そして、「AKB48グループ センター試験」が行われた際に向井地が1位を獲得してセンターポジションを得た楽曲「君は僕の風」、シングル表題曲初センターとなった「翼はいらない」を披露、最後は「君と虹と太陽と」で公演を締めくくった。
自身の足跡とAKB48への強い愛とを存分に表現したセットリストで、卒業コンサートを描いてみせた向井地。4月30日にAKB48劇場で行われる予定の卒業公演をもってメンバーとしての活動が終了となる彼女が、「5月からはひとりのAKBオタクに戻ります!」と宣言してコンサートは幕を下ろした。