Re:name「バンドを続けてきて良かった」10年でたどり着いた絶景 雨の大阪城音楽堂で生まれたエモーショナルな一夜
大阪・北摂発の3ピースバンド Re:nameが、結成10周年の記念日となる3月25日に大阪城音楽堂でフリーワンマンライブを開催した。
本ライブに向け、3月8日には大阪・あべのHoop 1Fオープンエアプラザ、3月15日には大阪・クリスタ長堀 滝の広場、3月20日には大阪・なんばパークス1階JRAウィンズ前多目的広場でゲリラライブを行い、ついに迎えた当日。バンドにとって大事な節目となる1日に、同日リリースされたニューアルバム『1626』の収録曲をはじめ、自身の10年の歩みをたどる全13曲を披露した。
開演が近づくにつれて強くなるあいにくの雨にもかかわらず、レインコート姿の多くの観客がバンド史上最大キャパの挑戦を見届けようと訪れた大阪城音楽堂。オープニングMCを務めたFM802 DJの樋口大喜も「元気やね~!」とたじろぐほどの熱気の中、幻想的な白い光が舞台の輪郭を描き出していく。
「大阪城野音、始めようか!」と高木一成(Vo)がいざなった幕開けのナンバーは、「Saturday, Sunday.」。見渡す限りの観客がハンズアップするいきなりの絶景を前に、「ついにこの日が来たぞ~! 俺たちだけの野音、最後まで楽しみましょう」と昂る気持ちを抑え切れない様子の高木は、「prettyfine :)」でもマイク片手に飛び跳ね、右へ左へとステージを駆け巡る。ヤマケン(Dr)のタイトなビートやSoma(Gt)の流麗なカッティングも巧みに楽曲を彩る中、「間違いなくRe:nameのライブ史上一番多い人数が入ってますので。でっかい声出せますか大阪!」と高木が導いたのは「愛はきっとLonely」。その疾走感と爽快感にオーディエンスも大盛り上がりで、Somaの縦横無尽にドライブするギターソロで鼓動はさらに加速する。
MCでは、「めっちゃ雨が降ってるのに、これだけ集まってくれてることが嬉しくて。ちょっと伝説っぽくないですか!?」と興奮気味の高木に追随し、ヤマケンとSomaも目の前に広がる景色への感動と、関西のみならず全国から集まった観客への感謝を述べていく。
続いて、美しいバックトラックに優しいメロディを重ねた「Vintage Car」は、まるで夜の大阪野音のために作られたかのようにフィットし、高木曰く「Re:nameのこれまでとこれからを歌った曲」という「Forever Always」では、会場の隅々まで灯った無数のスマホのライトがよりメロウな空間を演出。すでに大阪城音楽堂に留まらないバンドのスケールを感じさせたハイライトとなっていた。
「今日で我々Re:nameは10周年を迎えました。16歳だった2016年から2026年まで、10年活動が続いてきました。本当に皆さんが応援してくれたおかげだなと……今日はその答え合わせができてるなと思います。Somaとは小学校の終わりから、ヤマケンとは高校からの仲ですけど、こうなるとは思ってもみなかった。そんな友達と始めたバンドが10年続いた記念日を、みんなに見てもらえるのが光栄です。俺らなりのこの野音のステージを想像して今日までやってきたので、しっかり見届けてください」
高木の力強い言葉を受けた後は、グルーヴィでワイルドな「Swingboat」を起点に、鮮やかな照明との総合芸術で魅せた「OTHER SIDE」、アップリフティングなダンスチューン「People」で躍動。「高校生の頃からやってる大事な曲」と高木が告げた「Let Me」では、客席を練り歩きながら歌い上げた何ともエモーショナルなシーンに大きな拍手が巻き起こる。
ここで意を決した表情のヤマケンが、「あの……あっぶねー、開始一秒で泣きそうになったわ(笑)。夢みたいな時間だなと思います。この後もずっとこの景色を思い出すんだろうな」と、思いの丈を話していく。野音の応募フォームに届いたコメント、野音のためにビラ配りをしたときに掛けられた言葉……「みんなの人生の中にRe:nameがあるんだなと思ったし、そういう言葉に支えられ続けた10年だと改めて思います」と心情を吐露。「3年ぐらい前にバンドをやめようと思って、一成とSomaに相談して……あのとき止めてくれたから今この瞬間があるし、バンドを続けてきて良かったです」と、何度も何度も涙が溢れ出すのをこらえるヤマケンに、「全員泣いてまうやろ! この後ドラム叩けんのか」と茶々を入れながら、「アルバムが出て、また新しい音楽ができて、これからもRe:nameは続いていくので。見逃さないようについて来てください」と高木が続けた様にも、Re:nameが積み重ねてきた確かな時間=絆がにじみ出ていた。
そんな頼もしい宣言の後に、新たな始まりを予感させる「one room」をささげ、「24/7」では「星の見えない“大阪城野音”」とリリックの一節を変える遊び心も。ラストの「MUCHU」まで、終始ポップソングの高揚感と幸福感に満たされた充実のパフォーマンスとなった。
アンコールでは高木が、「Re:nameの本拠地はワンマンライブにありますので、5月からまたぜひライブハウスで会いましょう!」と約束。最後に放った「Light」が、10年かけてたどり着いた雨の大阪野音に、いつまでも忘れられない余韻というエンドロールを刻んだ。
今回のメモリアルなフリーライブを経て、5月からRe:nameは『Re:name NEW ALBUM[1626]RELEASE ONEMAN TOUR 2026』を開催する。