矢野顕子が「LIFETIME BASEBALL」に込めた人生の8回裏 SCOOBIE DO・MOBYが引き出す“野球と音楽”

新曲「LIFETIME BASEBALL」ーーヨギ・ベラの名言で締める理由

MOBY:新曲のお話の前に、1960年代後半〜1970年代、80年代にかけて、アメリカのシンガーソングライターたちの数多くが、ポール・サイモンやジェームス・テイラーだったり、ベースボールを題材に曲を紡いでいますが、そのことを意識したことはありますか?

矢野:まったくないです。彼らはやっぱり、子供時代からこの国で育って、野球が身近にあって。家族のこととかと同じように、そのことが振り返りやすいのかもしれないですね。

MOBY:「行け柳田」はラジオ中継を聴きながら、今で言う“推し”を応援する、「野球が好きだ」は糸井さんの詩の世界観を矢野さんが音と歌で紡いだ、というのが個人的な印象です。今回の「LIFETIME BASEBALL」は人生、そして世界の今を、野球を通して描いていらっしゃるという印象を受けました。「我々は負けない! 終わるまで我々は終わらない!」ということにも触れていますが、試合の状況は8回裏2死満塁という状況で終わっていますね、なぜそこで終わっているか、可能でしたら教えていただけますでしょうか?

矢野:そうですね。まさにその、「ここで終わるわけにはいかない」という気持ちがこの曲のすべてというか。詞を書くきっかけはネットなんです。ネットの世界、私たちは否応なくその世界にいるわけですけど。何か気に食わないことがあると攻撃されることとか、それがどうでもいいようなこと、ネットが無かったら見過ごされるようなことですら、その人を死ぬまで叩きのめすみたいな、非常に残酷な世の中になったので。それで、この曲はご夫婦で、旦那さんはピッチャー、昔はエースだったけどリタイアが近い。でも奥さんは「頑張って」って信頼してる。それが普通の私達、みたいな。試合は途中までリードしていて、このまま逃げ切れるかなというところで、いやいや人生そう上手くはいかないという。野球の試合で、ここまできたら「もう勝てる」というのは何回なのかっていうのを小原礼とかバンドメンバーにも聞いたんです。そしたらやっぱり“8回裏”って。でもここで頑張れば、すごくいいゲームになりますよね。そういうことで、あそこで終わってるんです。

矢野顕子 - LIFETIME BASEBALL [Official Audio]

MOBY:素晴らしい。また考えすぎだと言われるかもしれないのですが、歌詞の最後〈It’s not over till it’s over〉に似たフレーズ、「It ain't over till it's over」というのは、ヤンキースを代表する名捕手であるヨギ・ベラが残した名言として知られていて。

矢野:知っています。

MOBY:1991年にはレニー・クラヴィッツがこのフレーズを引用した曲を作り大ヒットしました。

矢野:あら、それは知りませんでした。

MOBY:やはりベースボールということを踏まえ、最後はこの言葉で終わられたのでしょうか?

矢野:その通りです。英語では慣用句ですから。

MOBY:よかった(笑)。

矢野:それがヨギ・ベラだっていうことは以前に調べました。そういうことを知ると、ヤンキースが好きになるというか。この曲は、最後どうなるかわからないわけです。皆さんも、いつ標的になるかわからないし、人生の試合ってどうなるかわからないけど、とにかく諦めないでいこうっていう曲です。

MOBY:ヨギ・ベラの言葉で終わるというところに、ニューヨークで生まれた曲というのが感じられて、よかったです。色々含まれていて、ベースボールだなっていうのと、歌詞にも出てきますが、ベースボールはロックンロールだなというのも感じます。自分はずっとベースボールはロックンロールだなと思っているので。

矢野:ふふ、あれはただ韻を踏んだだけなんだけどね(笑)。

MOBY:でも、曲調はいわゆる1950年代・60年代のロックンロールであり、アメリカの良いところを曲にしているという印象を受けましたよ。

矢野:そうですか。ありがとうございます。

MOBY:ちょっと話は逸れますが、1980年11月、日本出身のアーティストとして初めてアメリカの音楽番組『Soul Train』で「TIGHTEN UP」を演奏した時のエピソード、お話を聞かせてください。私が所属しているバンド・SCOOBIE DOも、この曲をカバーしておりまして、SPEEDSTAR RECORDS(ビクターエンタテインメント)からリリースしております。

TIGHTEN UP

矢野:そうですか。YMOで行って「今日は『Soul Train』に出るんだよ」って出演した時のことは覚えてるんだけど。あの時、口パクだったんじゃないかな?

MOBY:矢野さんはずっと踊ってらっしゃいましたよね?

矢野:そうでしたね。とにかくいっぱい人がいて、みんな踊っていてかっこいいなーみたいなことだけ覚えてますね。

MOBY:先日1997年出版『街を歩けばいいことに当たる』(KADOKAWA)を拝読しました。最後にお伺いしたいのですが、ニューヨークに移住されて35年以上経つかと思いますが、今でも街を歩けばいいことに当たりますか?

矢野:街全体に力のある街なので、ダラダラとは歩かないです。みんな早歩きだし、その街のエネルギーを感じながら、その中で暮らすことが私は好きですね。

矢野顕子「LIFETIME BASEBALL」

■リリース情報
矢野顕子
「LIFETIME BASEBALL」
3月4日(水)より配信開始
楽曲配信URL:https://jvcmusic.lnk.to/LIFETIMEBASEBALL

※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、Spotify、YouTube Music、LINE MUSIC、Amazon Music、Deezer、AWA、Rakuten Music、KKBOX、Qobuz

SCOOBIE DO
『FUNKY SQUARE』
発売中
購入はこちら:https://believemusicstore.com/?pid=188279710

価格:¥3,000(+tax)
品番:CMP-035

■矢野顕子 ライブ情報
『やのとあがつま(矢野顕子&上妻宏光) Japan Tour 2026』

4月25日(土)16:30 / 17:00
東京:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
全席指定:¥7,000(税込)

4月29日(水祝)16:30 / 17:30
山形:シェルターなんようホール(南陽市文化会館)
指定席:¥8,000(税込)

5月1日(金)17:30 / 18:00
福島:いわきアリオス セキショウ中劇場
指定席:¥8,000(税込)

5月4日(月祝)16:30 / 17:00
岐阜:大垣市
全席指定:¥7,000(税込) *詳細後日発表

5月12日(火) 18:30 / 19:00
沖縄:アイム・ユニバース てだこホール 大ホール
全席指定:¥7,000(税込)

『EBISU Bloomin’ JAZZ GARDEN 2026 SPECIAL!』
5月9日(土) 17:00 / 18:00
ザ・ガーデンホール
全席指定:¥8,800(税込) 別途ドリンク代必要

・SUPER J-HITS RADIO 30th Anniversary Live『音礼・綴(おんれいつづり)』
※矢野顕子ソロにてゲスト出演
4月27日(月)18:00 / 19:00
大阪府フェスティバルホール
全席指定:¥12,000(税込)

■SCOOBIE DO ライブ情報
『Funk-a-lismo! vol.16』(ファイナル)
日時:2026年3月28日(土)
会場:渋谷CLUB QUATTRO 16:45 OPEN / 17:30 START
出演:SCOOBIE DO

<チケット>
¥5,500(D別)*小学生以上有料

■関連リンク
矢野顕子
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