SUPER★DRAGON「状態は最高」 結成11年目の新たな野心、個性が詰まった『Break off』制作の裏側に迫る
昨年、グループ結成10周年イヤーを駆け抜け、11年目に突入した9人組ミクスチャーユニット・SUPER★DRAGON(以下、スパドラ)が、3月4日にメジャー5thシングル『Break off』をリリースした。表題曲である「Break off」は、TVアニメ『貴族転生 ~恵まれた生まれから最強の力を得る~』(以下『貴族転生』/TOKYO MXほか)のオープニングテーマで、1月5日に先行配信され、大きな反響を呼んでいる。今回リアルサウンドでは、そんな同曲を含む5thシングルについて、9人全員に話を聞いた。(高橋梓)
『貴族転生』との共鳴、メンバー主導で描く多色なミクスチャーの現在地
――まずは、結成11年目に突入した皆さんにとって、『Break off』がどんな位置づけの作品になっているか教えてください。
ジャン海渡(以下、ジャン):“面白い作品”になったと思います。僕たちはミクスチャースタイルの音楽をやっていますが、『Break off』は作品自体がまさにミクスチャー。全曲ジャンルが違っていて、僕たちらしい仕上がりになったかと思います。
松村和哉(以下、松村):今作は、シングルとしてテーマを持たせているのではなく、「Break off」ありきのスタートでした。なので、ミックステープのような雑多さがあって面白くなりました。
――あえて「Break off」とは違った楽曲を集めたのですか?
古川毅(以下、古川):そういう経緯ではなかったですね。
ジャン:「Break off」は1年以上前にできていた楽曲なんです。ついにリリースできることになって、カップリングをどうしようかという話になった時に「今の俺たちが作りたい楽曲にしよう」という流れになりました。なので、「Break off」に合わせたというよりも、各曲メンバーが主軸になって作りたい曲を作った、という感じですね。だからこそいろんなジャンルが混ざっています。
――なるほど。温めていた自信作と今の皆さんらしい楽曲で構成されている、と。
古川:そうですね。10周年を迎えた2025年を経て、今年は新鮮なスパドラをBLUE(SUPER★DRAGONのファンの呼称)にお届けできると思います。そのスタートに相応しい位置づけの1枚ですね。昨年『SUPER X』というアルバムをリリースして、それを携えたツアーをやって、すごく手応えがありましたし、いい評判もたくさんいただきました。それを超えていくという気合いも『Break off』には込められたと思います。それにカップリング2曲に関しては、僕らがしっかりと携わらせていただいたので、表現という部分でもアップデートした部分を見せられているのかな、と。
ジャン:僕たちは楽曲を作る時、その時のバイブスを反映させるんですね。なので、「音楽を楽しんでいる」ということはベースとして持っていて。その上で、クリエイティブ力も着実に成長できていると思っています。
――皆さんの現在地を示す、という意味もある作品なのかもしれませんね。では、1曲ずつ質問させてください。まずは表題曲「Break off」。『貴族転生』の主題歌としてすでに先行配信されていますが、反響はどう受け取っていますか。
ジャン:反響というか僕の感想になってしまうのですが、アニメのオープニング映像を観たら、面白いくらいに歌詞を拾って映像にしてくれていたんですよ。
松村:「俺の歌詞が拾われた!」ってめちゃくちゃ喜んでいました(笑)。
ジャン:〈Emperor's honor〉とか〈To the next〉とか映像に映し出されていて、こんなにも歌詞が映像に書かれていたのは初めてで! 嬉しい気持ちがあったのはもちろんなのですが、オープニング映像として成り立っているのが感じられたので、改めてタイアップがやれてよかったなと思いました。それとアニメファンの方も「オープニングの曲、いいね」と言ってくださっていたのを見て、すごく嬉しかったです。で、颯はどう?
松村:なんでお前が仕切ってんだよ(笑)。
――ありがとうございます(笑)。飯島さん、いかがですか?
飯島颯(以下、飯島):僕も、アニメの放送が始まったあとにどんな反応があるか調べてみたんです。その時に「オープニングかっこいい」というコメントを見つけて。「やったじゃん!」と思いました。僕らを知らない方にどう捉えられるのか気になっていたので、アニメファンの方、原作ファンの方にも受け入れていただける作品になったんだなと感じました。
古川:ほとんどがポジティブな反応で、実は狙っていた通りだったりもします。BLUEは絶対好きな曲だろうなと思っていましたし、アニメにしっかり沿って作った楽曲でもあったので、受け入れていただけてよかったです。
――『貴族転生』を初めて観た時はどういう印象を持たれましたか?。
ジャン:今回は僕と和哉が作詞に参加させていただいています。僕は中二病な世界観が大好きなので、主人公になった気持ちで楽しく拝見させてもらいました。歌詞を書くのがすごく楽しみでしたね。
松村:僕もそうですね。「どこで戦うんだろうな」と思いながら書きました。
――歌詞だけに限らず、歌い方やダンスなど、原作から受けた印象をどういうふうに楽曲に落とし込んだのでしょうか。
ジャン:僕はアグレッシブに歌ったかなぁ。アニソンということもあり、戦うイメージでラップをしてみました。昔の僕を思い出すような感じです。
古川:あぁ~。それ、めっちゃわかるわ。
ジャン:でしょ? 年齢を重ねていくにつれて、ラップが大人しくなっていたんですが、久々に若いエネルギーを出しましたね。ボーカルとかはどう?
松村:だから、なんでお前が回してんだよ(笑)。
池田彪馬(以下、池田):(笑)。ボーカルというよりはコレオ(振り付け)の話になるのですが、今回は玲於くんと「Omaejanai」でもお世話になったMacotoくんにお願いしました。アニメのオープニングになるのが決まった上で、どういうコレオにしたいか話をして。詳しい話は玲於くんがしてくれます。
志村玲於(以下、志村):急なパスだな! そうですね、今回はサウンドのまんまで行くと、振り付けがありきたりな感じになってしまいそうだなと思って。「Omaejanai」は表現としてだいぶ振り切っていたのですが、そこまでいかなくても“表現をすること”と“ダンス”のちょうどいいところを取りたいとMacotoくんにオーダーをさせてもらいました。
スパドラとアニメの必然的な相性、“スマート”の先にある熱量
――すでにYouTubeにダンプラ動画がアップされていますよね。楽曲だけを拝聴した時はもっとゴリゴリのダンスになるのかと思っていたのですが、意外と抜きの部分も多かったのはそういう背景があったのですね。
志村:そうですね。アニメの世界観に忠実な歌詞が立っているので、そこはしっかりと取りつつ。それにスパドラの曲でもありますが、『貴族転生』の曲でもあるので、僕らとアニメを繋げられるようなコレオにしました。
田中洸希(以下、田中):ボーカルで言うと、僕はサビ前のビルドアップパートを担当していまして。サビが攻撃的な感じになるので、そこに上手く繋げられるようにと思って熱唱しています。
――そういった表現を含めですが、同曲はアニソンでありながらもスパドラらしさがありますよね。そのふたつを両立するために意識したことはあるのでしょうか。
ジャン:自分たちで言うのもなんですが(笑)、スパドラのサウンドとアニメってそもそも相性がいいなと思っていて。なので、パフォーマンスをする上で特別やったことはないかもしれません。アニメの要素はテーマや歌詞、早めのBPM、アグレッシブさという部分で作れているのかな、と。
――3rdシングル収録曲の「リトル・ラヴァーズ」もTVアニメ『殿と犬』(TOKYO MXほか)のテーマソングとなったアニメタイアップ曲でしたよね。楽曲の方向性が違うという前提はありますが、自分たちと作品の融合という面で違いを感じる部分もあるのではないでしょうか。
古川:やっぱり違いますね。「リトル・ラヴァーズ」は自分たち的にもチャレンジングな部分があったのですが、「Break off」はいい意味で新鮮じゃなくて。これまでの僕らの歴史と地続きになっている感じがありますし、歌詞にジャンと和哉が参加していることでアニメとスパドラのアティチュードをリンクさせられたと思います。
池田:これまでの楽曲の中に上手く溶け込んでいる感じがする。
古川:そうだね。自分たちで作品を手掛けるようになってから、スマートにパフォーマンスすることを一番に考えなくなったというか。たとえば「Break off」であれば、冒頭に〈Break off chaos〉という歌詞があるんですね。その言葉通り、混沌とした感じをアートとして表現しようと思って作り込みました。