元JUDY AND MARY・TAKUYA、心臓病は「本当に怖かった」 手術を経て、台湾からタイへ移住ーー直感を信じる生き方

 JUDY AND MARYのギタリストとして一世を風靡し、音楽シーンにおいて確固たる地位を築いたTAKUYA。現在も自身のペースで音楽活動に向き合っていたが、2024年10月、不整脈が見つかったため心臓手術を受けることを発表し、大きな衝撃を与えた。

 無事に手術を終えて、2025年10月には1年ぶりとなるライブを成功させたことを受けて、リアルサウンドでは、病気に関する詳細を聞くべくインタビューを企画。闘病生活を中心に幅広く話を聞いていくなかで、海外移住を繰り返すTAKUYAの人生を歩むうえでの哲学に触れることができた。(編集部)

心臓手術の直前にもライブを敢行「本当に怖かった」

――TAKUYAさんは、2024年11月に心臓のカテーテルアブレーション手術を受けられました。ご病気はどのような経緯で発覚したのでしょうか?

TAKUYA:2023年12月に、所属しているソニー・ミュージックパブリッシングから「健康診断を受けませんか?」と連絡がきまして。ちょうど予定を空けられたので、受けることにしたんですね。診断結果が悪かったら、すぐに電話がかかってくると聞くじゃないですか。

――病院やクリニックから連絡がきますよね。

TAKUYA:僕の場合は、その場で「これは……緊急で病院に行ってください! 心臓の様子がおかしいです」って言われて。「え、そんなに深刻なの!?」と。それで大きな病院の先生を紹介してもらって、あらためて診てもらったら“心房細動”という病気だったんです。ただ、病気が発覚する前から体調が悪かったし、ライブが終わったあとに苦しくてうずくまることもあって。

――体調の違和感はいつから感じていたんですか。

TAKUYA:かなり前からですね。「あ、地震かな」と思ったら、自分の体が揺れていたこともあって。あとは、自律神経の調整がうまくいかなかったり、気温が高いのに寒さを感じたり、本当に体調が悪かった。まあ、50代になっていたので「これが更年期かな」とか「コロナに2回かかった影響かな」とも思っていて。でも、いざ先生に「心臓が悪い」と言われたときは、驚きよりも「なるほどな」と納得しましたね。

――病気が見つかってから手術を受けるまで、約1年ほど期間が空きましたよね。

TAKUYA:僕が台湾に移住したタイミングだったので、向こうの健康保険をもらうにあたって、半年間は台湾から出ることができなくて。それで先生と相談して「手術は健康保険を取得してからにしましょう」となったんです。手術を受けるまでは薬で症状を抑えつつ、騙し騙しで過ごしていました。

――手術までは症状が悪化することはなかった?

TAKUYA:最初に診断を受けた段階で、血液がめちゃくちゃ悪くて。肝臓がE判定、尿酸値がG判定、心臓がE判定で、全部が赤点みたいな(笑)。台湾の友達に相談したら「私の通っている病院に行ってみたら?」と紹介されて、中医という日本では馴染みの少ない漢方の病院なのですが、そこで大量の漢方薬を処方してもらったんですよ。驚くほど苦い液体薬と粉薬を毎日2回。飲み始めて半年後に日本で検査したら、すべての数値が正常に戻っていたんですよ。

――すごい! 

TAKUYA:残すは、心臓の不整脈だけでしたね。

――手術の約3週間前まで、日本と台北でライブをされていましたよね? 

TAKUYA:結構ギリギリの状態だったんですよ。体温調節がうまくいかないから、ライブをやっていても体が温まらない。ライブが終わったあとも、冷や汗が止まらなかったですし。全然思い通りにならないので、本当に怖かったですね。そのあとの2024年11月に手術をして、術後はしばらく激しい運動は禁止されてましたけど、去年の春くらいからトレーニングを再開して、コツコツ頑張ってる感じですね。

――楽曲制作に関しては、どんな状況でしょうか。

TAKUYA:手術する前に、ものすごい数の曲を作っていて。1カ月で50曲、1日3曲くらい作っていました。というのも、術後は一旦何も考えないようにしようと思っていたんです。手術を終えた去年の春くらいから、10月のライブに向けて準備を始めました。手術前に作った50曲と、それよりも前に作っていた未発表曲、もっと言うとジュディマリ(JUDY AND MARY)時代にやっていたROBOTS(TAKUYAのソロユニット)のときに完成させたものの世に出していなかった音源もありまして。2025年はそういう過去曲も含めて、現在の自分の声で歌い直していました。台湾の川沿いをランニングしながら歌ってみて「どのくらい声が出るかな?」「適正のキーはどこかな?」と探りながら、ボイトレにも励んで。

――去年10月に1年ぶりとなるライブを開催し、皆さんの前で快復したTAKUYAさんの姿を見せられましたね。

TAKUYA:なんとか無事にステージを終えましたね。ただ、去年はできたけど、今年はどうなのかは不安もありますよ。どんなに鍛えても、自分が老いていくスピードのほうが速いからね。今は日本を飛び出したことで圧倒的に時間があるし、緩やかに生きていて(笑)。丁寧に音楽制作に臨めているというか、特に急ぎもせず、別にサボっているわけでもなく。正直、もう新曲を作らなくてもいい。でも気がつくと、PCに向かって曲を作っているんですよ。

――日本にいた頃と違って、今は自分のペースで曲を作っている、と。

TAKUYA:うん。近年は提供曲を作るにしても、短い納期で曲を書いてレコーディングのディレクションもして。多少の不具合は、ピッチなどもテクノロジーで調整をして……という現代的な音楽制作を頑張っていました。今は締切のないソロ作品制作に集中していて、スラッと歌えるようになるまでに、何百回でも練習できるし、時間も使えるので、個人的には「幸せだな」と思いながら音楽を精進しています。

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